第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当中間連結会計期間(2024年8月1日~2025年1月31日)におけるわが国経済は、堅調なインバウンド需要の維持や、名目賃金の増加が継続するなど、景気は緩やかな回復傾向にあります。一方で、2020年を基準とした消費者物価総合指数(2025年2月21日総務省発表)が111.2となる中、生活防衛のための消費者の節約志向などにより今後の消費動向の先行きは不透明な状況が続いております。

当社グループは「“ひとの未来”に貢献する事業を創造し続ける」というグループビジョンの下、「コンシューマ 事業」と「インターネット広告事業」の2つのセグメントによって構成されております。コンシューマ事業の主たる 事業領域であるふるさと納税市場において、2023年度のふるさと納税受入額は制度認知の向上と国内景気を背景に前 年度比約1.2倍の1兆1,175億円と順調に市場が成長し、初めて1兆円を突破しました。受入件数も前年度比約1.1倍の 5,894万件、さらに、ふるさと納税の控除適用者数(ふるさと納税を実際に行い住民税控除適用された人数)も前年度 比約1.1倍の約1,000万人と過去最高となり※1、「地方創生の実現」という本来の趣旨に沿った制度として広く認知されつつある一方、ふるさと納税の利用率※2は16.6%と低く、市場拡大による成長余地が大きいと見込まれております。

また、インターネット広告事業の主たる事業領域である国内インターネット広告市場における2024年のインターネット広告費は、前年比109.6%の3兆6,517億円と好調な成長を続けており※3、サーチ広告やソーシャルメディア広告、動画広告が牽引し、今後も市場は堅調に推移することが見込まれております。しかしながら、世界的な人々の行動・消費生活の変化は、広告単価の低迷や当社の主力であるアドネットワーク事業へ大きな影響を及ぼしており、予断を許さない状況が続いております。

このような事業環境の下、当社グループは、インターネットマーケティング企業として、祖業であるインターネッ ト広告(アドネットワーク)事業で培ったテクノロジーとマーケティング・ノウハウを多角的に活用し、新たな市場 の開拓と成長事業分野への投資を推し進め、さらなる企業価値の向上に努めております。

地域産業振興などの社会課題を解決する機能を持つふるさと納税事業においては、「ふるなび」ブランドの認知度 向上とプロモーション活動を推進し、契約自治体や会員を増やすと共に、自治体との共創による飲食や宿泊等、独自 企画の体験型返礼品の拡充を図るほか、自治体との連携強化のため、ふるさと納税業務代行サービス※4を推進しております。インターネット広告事業においては、アドネットワーク事業から、成長市場であるインフルエンサーマーケティング事業や アプリ運営事業へのリソースのシフトによる事業ポートフォリオの最適化を進めております。さらに、社会課題を解決することで地方創生を実現するグリーンエネルギー事業では、太陽光発電所(営農型+野立て※5)が当中間連結会計期間において新たに7ヶ所稼働を開始し、合計21ヶ所となりました。また、2024年12月には、ANAグループとの間で、地方創生を推進する事業提携の基本合意書を締結いたしました。今後は、両グループの強みを生かし、地方創生に向けた取り組みをより一層強化し、地域の持続的発展に寄与してまいります。

これらの結果、当中間連結会計期間の売上高は16,397百万円(前年同期比114.5%)、営業利益は3,742百万円(同108.2%)、経常利益は3,742百万円(同107.9%)、親会社株主に帰属する中間純利益は2,561百万円(同106.1%)となりました。

 

※1 出典:総務省自治税務局市町村税課「ふるさと納税に関する現況調査結果」、2024年8月2日公表

なお、ふるさと納税受入額等の実績は、住民税の計算期間と異なり、自治体の事業年度(4月1日~翌年3月31日)の状況を集計したものであります。

※2 ふるさと納税の利用率は「総務省発刊:各年度の課税における住民税控除額の実績等」及び「総務省発刊:

  各年度の市町村税課税状況等の調」を参考に当社にて算出

※3 出典:株式会社電通「2024年 日本の広告費」、2025年2月27日発表

※4 ポータルサイトへの掲載、配送管理、事業者及び寄附者対応など複雑なふるさと納税の運営業務を代行

※5 土地に直接、太陽光発電設備を設置して売電する方法

 

セグメント別の業績は次のとおりです。

なお、各セグメント別の売上高は、セグメント間の内部売上高及び振替高を含む数値を記載しております。

 

(コンシューマ事業)

コンシューマ事業では、ふるさと納税事業「ふるなび」及び周辺事業としてトラベル事業、レストランPR事業並びにポイントサービス事業を展開しております。主力事業であるふるさと納税事業「ふるなび」では、ふるさと納税市場の安定した成長が継続する中、競争優位性確保のための市場シェア20%の目標実現に向け、最繁忙期に適したプロモーションや顧客エンゲージメントの獲得施策を積極的に実施しました。これらの施策が奏功し、当中間連結会計期間でのふるさと納税寄附受付額は前年同期を大きく上回り、伸長率も前年度(2022年同期間に対する2023年同期間)を上回る結果となりました。また、顧客とのエンゲージメントを高める「ふるなびアプリ」は、ローンチから約2か月で累計アプリダウンロード数が50万を突破するなど、好評を博しております。さらに、周辺事業である「ふるなびトラベル」では、宿泊・飲食店などの提携施設数が順調に拡大し、顧客体験の向上を通じた継続的な利用を促すことに寄与しております。これらの施策が顧客層の拡大及びリピーターの増加に寄与し、前年同期比で寄附件数や会員数は順調に伸長いたしました。

これらの結果、当中間連結会計期間の売上高は15,133百万円(前年同期比117.6%)、セグメント利益は3,736百万円(同114.3%)となりました。

 

(インターネット広告事業)

インターネット広告事業では、アドネットワーク事業、インフルエンサーマーケティング事業、メディアソリューション事業、広告代理店事業(サイバーコンサルタント社)、アプリ運営事業(オーテ社等)を展開しております。アプリ運営事業では「パズルde懸賞」シリーズで新規タイトルをリリースした他、異業種とのコラボキャンペーンや、「夢を当てよう!超懸賞祭」を実施するなど、顧客のリテンション向上に注力いたしました。さらに、新たな収益モデルや顧客層、市場の拡大に向け、他社との協業によるポイ活※6市場や、海外市場の開拓を推進しております。インフルエンサーマーケティング事業においては、インフルエンサーの登録者数及び稼働率を伸ばすための多様な料金プランを提供し、さらに、広告主のブランド価値向上に寄与するため「ブランドレーダー※7」の追加機能開発に注力いたしました。また、国内では初めて、リアルタイムSNSアプリ「BeReal.」を活用した映画プロモーションを実施いたしました。一方で、アドネットワーク事業での当社の大口顧客や業界の広告費予算の減少が収益に与える影響は依然として大きく、売上高・セグメント利益共に前年同期比で減収減益となりました。

これらの結果、当中間連結会計期間の売上高は1,243百万円(前年同期比86.0%)、セグメント利益は77百万円(同29.8%)となりました。

 

※6 「ポイント活動」の略で、ポイントを貯めたり、貯まったポイントを活用することなどの総称

※7 SNSマーケティング領域において、ステルスマーケティング規制への対応をサポートするなど、ブランド価値向上をサポートするツール

 

(2) 財政状態の状況

(資産)

総資産は、35,647百万円(前連結会計年度末比11,158百万円の増加)となりました。これは主に、売掛金が9,691百万円及びその他流動資産が2,025百万円増加したことによるものであります。

 

(負債)

負債は、18,628百万円(前連結会計年度末比9,772百万円の増加)となりました。これは主に、販売促進引当金が3,387百万円、未払金が2,255百万円、預り金が2,021百万円及び未払法人税等が1,883百万円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

純資産は、17,018百万円(前連結会計年度末比1,385百万円の増加)となりました。これは主に、利益剰余金が配当金の支払いにより1,267百万円減少したものの、親会社株主に帰属する中間純利益の計上により2,561百万円増加したことによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、前連結会計年度末より4,949百万円減少し、13,653百万円となりました。
 当中間連結会計期間における各キャッシュフローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュフロー)

当中間連結会計期間において営業活動の結果支出した資金は70百万円(前中間連結会計期間は256百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益3,704百万円の計上、販売促進引当金の増加3,387百万円及び未払金の増加2,692百万円により資金が増加したものの、売上債権の増加9,692百万円により資金が減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュフロー)

当中間連結会計期間において投資活動の結果支出した資金は3,686百万円(前中間連結会計期間は476百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出3,000百万円、有形固定資産の取得による支出654百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュフロー)

当中間連結会計期間において財務活動の結果支出した資金は1,195百万円(前中間連結会計期間は720百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額1,268百万円によるものであります。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は13百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。