第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 現状の認識について

当社グループは、HRソリューション関連情報事業(香川県における求人情報誌の発行)からスタートし、生活関連情報を含む情報提供を主たる事業とし、コンテンツの追加及びエリア拡大を中心に事業展開してまいりました。2024年は、新型コロナウイルス感染症による影響が緩和され、経済活動が回復基調にあるものの、ウッドショックや物価上昇などの影響が住宅市場や生活関連分野に引き続き課題を残しています。市場環境の変化に対応するため、当社は情報提供方法の見直し、新規事業の展開、業務効率化をさらに推進しています。

HRソリューション関連情報事業では、採用管理システム「アルパコネクト」の活用を進めるとともに、単発求人市場をターゲットとした「アルパリンク」の展開を強化し、幅広い雇用形態への対応を図っています。また、外国人労働者の受け入れ拡大を背景に、特定技能ビザや技能実習生向けのサービスを拡充し、外国人向け介護ビザ資格取得支援アプリの開発など新たなサービスの提供を進めました。

生活関連情報事業では、家づくり相談・紹介サービス「家づくり学校」において、オンライン校の展開を加速させ、新規エリアでの集客基盤の強化を図りました。また、家づくり相談の予約や個別対応を充実させ、顧客満足度の向上に努めています。さらに、賃貸物件検索サービス「賃貸スタイル」では、施策と改善に注力しました。一方で、大手検索エンジンのアルゴリズム変更による影響を受け、サイトへの訪問数が大幅に減少しました。

当社グループは、従業員の能力開発とキャリア形成を重視し、デジタル時代に適応した人材教育体制のさらなる強化に注力しています。特に、デジタルスキル向上のための研修プログラムを拡充し、新しいビジネスモデルに対応する能力を育成することで、企業体質の強化と持続的な企業価値の向上を目指しています。 

 

(2) 当面の対処すべき課題の内容

上記のことを踏まえ、当面の対処すべき課題として下記の二点を挙げております。

  ア.デジタル化とイノベーションの推進

  イ.人材採用・人材教育体制の強化

 

(3) 具体的な取組み状況等

ア.HRソリューション関連情報では、単発求人情報提供サービス「アルパリンク」のさらなる普及を進めるとともに、採用管理システム「アルパコネクト」の機能強化を図ります。また、同業者とのアライアンスを通じ、採用支援サービスの地域拡大を推進します。さらに、外国人労働者向けに特化した新規サービスの開発を進め、技能実習生や特定技能ビザ利用者へのサポート体制を強化することで、新たな収益源の創出を目指します。生活関連情報では、家づくり相談・紹介サービス「家づくり学校」のオンライン校の展開を加速し、新規エリアへのアプローチを進めてまいります。また、賃貸物件検索サービス「賃貸スタイル」においては、検索エンジンからの流入に依存しない施策として、SNSを活用した集客を強化し、利用者との接点を多様化する取り組みを行ってまいります。

イ.人材教育は、「管理本部 人材開発課」が中心となって実施しております。具体的には、採用方法、採用基準及び人材評価制度の随時見直しや入社時研修、階層別研修等を定期的に実施しております。今後も、コミュニケーション能力やタイムマネジメント等、業務に不可欠な能力を高める人材育成に努めてまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、サステナビリティに関する重要な事項について審議等を行う体制を早期に確立すべく検討を行っております。現状、サステナビリティに関する課題などにつきましては、管理本部管理部経営企画課が代表取締役社長の指示にもとづき、各種調査を行い、報告を行っております。その中で重要な事項については、取締役会への報告・審議を実施していく予定です。

 

(2)戦略

①人材の多様性

当社グループは、日本の生産年齢人口の減少、働き方改革など、事業環境の急速な変化に対応するため多様性を重んじ、ジェンダー・国際性・職歴等の多様性に努めております。また、社員の採用にあたっては性別、国籍、障害の有無を問わず、専門性、意欲、コミュニケーション能力、他社での業務経験等を総合的に判断し採用しています。

なお、当社グループは、女性・外国人・中途採用者の区分で、人数の目標数値は掲げておりませんが、社内環境の整備を進め、数値目標の設定を検討してまいります。

  ②人材育成

当社グループは『個人の成長が会社の成長である』と考え、各事業部・本部の求める人物像に合わせた採用活動を行い、新卒者や経験者採用の入社時の研修、新卒社員の入社後の定期的な研修や事業部・本部社員向けの総合研修など、様々な集合型研修を実施して学びの機会を設けております。

さらに社員のモチベーション向上を目指して、表彰制度を設けています。多様な人材が個々の能力を十分に発揮できる人事の処遇を心掛け、個性を尊重した人材育成を図ってまいります。

 

(3)リスク管理

気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な取引、自然災害等への危機管理など、サステナビリティに関する重要課題、さらには重要課題の監視、管理等のためサステナビリティ関連のリスクと機会について分析し、対応策について検討を行ってまいります。リスクと機会については、管理本部管理部経営企画課が定期的に確認を行ない、取締役会に報告し重要課題等を見直すなど適切に対応してまいります。

 

(4)指標及び目標

 当社グループ全体の従業員構成比では男性48%、女性52%の割合となっております。また、女性管理職比率については、当社及び連結子会社は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため公表しておりませんが、性別を問わず能力や実績に応じた採用・登用を進めるとともに女性が活躍しやすい環境を整備すること等を通じて、自然体で女性管理職比率が向上するように取り組んでまいります。

当社グループは、現時点ではサステナビリティ関連の具体的な指標や目標等は定めておりませんが、その具体的な目標設定や状況の開示につきましては、今後の課題として検討してまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、下記におけるリスクの項目は、全てのリスクを網羅したものではありません。また、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1) HRソリューション関連情報の営業収益変動要因について

HRソリューション関連情報に係る広告掲載料収入は、各県の求人動向や季節変動の影響を受ける傾向があります。季節変動要因として、大きなものは年末商戦前の9月から11月や年度変わりである2月から4月に増加要因があり、その間は谷間となる傾向にあります。また、求人情報誌は週刊を基本に発行しておりますが、年末年始及びいわゆるゴールデンウィーク並びに夏期休暇の時期には合併号とする場合があります。合併号とした場合は、通常の発行回数より1回分少なくなるため1月度、5月度及び8月度はその影響を受ける場合があります。

なお、当社グループのHRソリューション関連情報は、比較的固定費比率が高いことから、その広告掲載料収入の増加局面においては利益が大きく増加する可能性がある一方で、減少局面においては人件費等の固定費負担を支えきれずに利益が大きく悪化する可能性があります。

 

(2) 新規商品について

当社グループは、今後も新規事業の開発に積極的に取り組んでいく方針であります。そのため、新規事業開発期間の長期化や競争の激化等により計画が当初の予定どおりに進まなかった場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 

(3) 新規地域への進出について

当社グループは、今後も既存エリア内での既存事業の深耕、見直し及び新規サービスによる事業展開を行いながら、エリア拡大に努めてまいりますが、新規地域への進出時期の計画が早まる、ないしは計画通り進捗しない場合や、新規地域への展開方法を変更せざるを得ない場合、その計画の変更により当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。また、計画通りに進出を果たしても、新規地域において、お客様から相応の認知を受けるまでには、先行して収益を超える費用の負担を政策的に実施することがあり、その先行負担期間や展開の可否によっては、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 

(4) 他社との競争について

当社グループでは地域にあった情報誌の発行や発行回数の調整及び新聞折込求人紙の展開、ウェブサイトの充実などにより、地域に密着した情報を提供していくことで他社との差別化を図っていく方針であります。しかしながら、それぞれの地域ごとに複数の競合企業が存在していることから、競合状況の変化による掲載件数や掲載単価の低下等により、当社の業績は影響を受ける可能性があります。さらに、各コンテンツにおいてペーパーメディアの占める割合が低下していることから、当社グループの業績は、ウェブサイトの利用など他のメディアへの対応によって影響を受ける可能性があります。

 

 

(5) 法的規制等について

HRソリューション関連情報の情報誌発行は、明確な法的規制を受けるというものではありませんが、当社グループは公益社団法人全国求人情報協会に加盟し、求人情報が読者による職業選択に役立つよう、求人情報についての適切な調査や研究を実施するとともに、当協会の規定に則った情報提供を行っております。また、当社グループ独自でも自主規制として、全媒体共通の『株式会社KG情報情報公開基準』や各媒体による掲載基準などの諸規程を定めて運用しており、常に適正な情報の提供に努めております。

また、有料職業紹介事業については、『職業安定法』に、労働者派遣事業については、『労働者派遣法』に基づく厚生労働省の許可事業となっており、当社グループはその許可を受け、求人を必要としている企業に対して、求職希望者の紹介及び労働者の派遣を行っております。有料職業紹介事業及び労働者派遣事業は規制業種であることから、今後、関連法規の改正等により当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 

(6) 原材料価格の変動について

当社グループの製品の主要原材料である印刷用紙の価格は、国際市場に大きく影響されております。原材料価格の上昇は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(7) 市場の変化について

当社グループは、今後もユーザーのニーズに合ったサービスを提供してまいります。しかし、IT技術の急速な発達に伴い、情報の提供方法もフリーペーパーを中心とした紙媒体から、インターネットサービスへの移行が進んでおり、ユーザーの求めるサービスも変わりつつあります。市場の変化に迅速に対応できない場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 

(8) 大規模な自然災害・感染症等について

当社グループでは、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、台風、地震、津波等の自然災害及び新型コロナウイルスや新型インフルエンザ等の感染症が想定を大きく上回る規模で発生及び流行し、当該地域の事務所の稼働が長期にわたって困難になった場合及び顧客の属する業界に影響を及ぼした場合には、当社グループの業績や財務状況に影響を与える可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、訪日外客数の増加が続き、インバウンド需要の拡大が観光業を中心に回復の兆しを見せています。一方で、企業においては賃上げと物価上昇のバランスを取ることが引き続き課題とされ、物流コストや人件費の増加が業績に影響を与える可能性も指摘されています。このように、全体としては回復基調にあるものの、外的要因による不透明な状況が続いています。

こうした中、当社グループでは、HRソリューション関連情報において既存の商品・サービスに加え、新たな需要に対応する単発求人情報提供サービス「アルパリンク」をリリースしました。また、大手求人ポータルサイトとの連携を強化し、採用管理システム「アルパコネクト」の利用拡大を進めました。さらに、外国人労働者の入国増加に伴い、技能実習や特定技能ビザに対応したサービスを拡充するとともに、外国人向け介護ビザ資格取得支援アプリを開発し、幅広いサービス提供を行いました。

生活関連情報では、家づくり相談・紹介サービス「家づくり学校」においてオンライン校の展開を拡大し、新規エリアでの集客基盤を強化しました。賃貸物件検索サービス「賃貸スタイル」では、検索エンジン対策やコンバージョン率向上を図る施策を講じる一方、サイト情報の充実化にも取り組み、利用者満足度の向上を目指しました。

この結果、HRソリューション関連情報では、インターネット経由の営業収益が前年を上回ったものの、地方自治体からの受託事業規模の縮小により、全体の営業収益は減少しました。生活関連情報では、家づくり相談・紹介サービスにおける成約率の向上やオンライン展開の成果が営業収益に寄与しました。一方で、賃貸物件検索サービスは、大手検索エンジンのアルゴリズム変更によるサイトへの訪問数の減少が影響し、営業収益が大幅に減少しました。これらにより、営業収益は24億6千7百万円(前年同期比7.2%減)となり、営業利益は3億4百万円(前年同期比17.2%減)、経常利益は3億1千9百万円(前年同期比15.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億4千1百万円(前年同期比35.1%減)となりました。

当社グループの主力事業である情報関連事業の当連結会計年度における営業収益は20億9千万円(前年同期比12.0%減)となりましたが、これを分析すると下記のとおりであります。

なお、当社グループは情報関連事業以外に、他社印刷物の受注に係る印刷事業及びウェブサイトの構築・運営等を営んでおりますが、重要性が乏しいため記載は省略しております。

 

(HRソリューション関連情報)

HRソリューション関連情報につきましては、ペーパーメディアの衰退及び地方自治体からの受託事業規模の縮小により、営業収益は10億8千8百万円(前年同期比7.6%減)となりました。

 

(生活関連情報)

生活関連情報につきましては、賃貸物件情報サービス「賃貸スタイル」が大手検索エンジンのアルゴリズム変更による影響を受け、営業収益は10億2百万円(前年同期比16.5%減)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度は、下記の理由により、現金及び現金同等物の期末残高が6億6千4百万円と前年同期と比べ4億2千万円の減少となりました。

 

 

①営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローにより減少した資金は、2億9千3百万円(前年同期は2億8千2百万円の増加)となりました。これは税金等調整前当期純利益3億4千万円、減価償却費4千7百万円、役員退職慰労引当金の減少額2千1百万円、売上債権の減少額5千2百万円、その他の流動負債の減少額6億5千万円、法人税等の支払額6千9百万円等によるものであります。

 

②投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローにより増加した資金は、1億6千7百万円(前年同期は2億3千8百万円の減少)となりました。これは主に定期預金の払戻による収入46億2千万円による資金増加と定期預金の預入による支出44億2千万円及び有形固定資産の取得による支出1千7百万円等による資金減少によるものであります。

 

③財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローにより減少した資金は、2億9千5百万円(前年同期は8千4百万円の減少)となりました。これは配当金の支払額3億3千3百万円及び自己株式の処分による収入3千8百万円によるものであります。

 

(生産、申込及び販売の状況)

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

  HRソリューション関連情報

904,799

99.1

  生活関連情報

545,695

76.9

情報関連事業

1,450,495

89.4

その他

350,775

119.7

合計

1,801,270

94.0

 

(注) 1 金額は、営業原価によっております。

2 セグメント間取引については、相殺消去しております。

3 その他は、主に他社印刷物の受注に係る印刷事業及びウェブサイトの構築・運営等に係るものであります。

 

(2) 申込実績

当連結会計年度における申込実績等をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

申込高

申込残高

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

  HRソリューション関連情報

1,101,112

86.8

427,130

90.9

  生活関連情報

992,238

85.2

210

9.2

情報関連事業

2,093,351

86.1

427,340

90.5

その他

398,726

137.1

4,927

65.9

合計

2,492,077

91.5

432,268

90.1

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の申込高には当連結会計年度の申込金額を、申込残高には当連結会計年度末現在の未掲載(今後掲載されるもの)の金額を記載しております。

3 その他は、主に他社印刷物の受注に係る印刷事業及びウェブサイトの構築・運営等に係る受注高(申込高)及び受注残高(申込残高)であります。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

  HRソリューション関連情報

1,088,443

92.4

  生活関連情報

1,002,270

83.5

情報関連事業

2,090,714

88.0

その他

376,342

134.3

合計

2,467,056

92.8

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 その他は、主に他社印刷物の受注に係る印刷事業及びウェブサイトの構築・運営等に係るものであります。

3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、販売先が多岐にわたり、販売実績が総販売実績の100分の10を上回る販売先がありませんので記載を省略しております。

4 当社グループは輸出取引を行っておりません。

 

当連結会計年度における情報関連事業の販売実績をエリア別に示すと、次のとおりであります。

エリア別

金額(千円)

前年同期比(%)

岡山県

532,166

80.0

広島県

302,922

122.9

香川県

217,123

119.9

山口県

103,535

57.2

その他

934,965

84.8

情報関連事業

2,090,714

88.0

 

(注)  その他は、愛媛県、兵庫県、徳島県、高知県、福岡県、大分県、埼玉県、神奈川県、山梨県、東京都及び北海道他であります。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

当社グループは、国内2社、国外1社の連結子会社を保有しております。下記の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析・検討につきましては当社グループの連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態に関する分析

資産・負債及び純資産の状況

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末から7億1千1百万円減少し、67億2千8百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末から6億6千5百万円減少し、55億2千1百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金の減少6億2千万円及び売掛金の減少4千3百万円等によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末から4千6百万円減少し、12億7百万円となりました。これは主に有形固定資産の減価償却等に伴う減少2千9百万円及び投資その他の資産の減少2千9百万円等によるものであります。

なお、当連結会計年度末の現金及び預金は50億8千4百万円となっており、総資産の75.6%を占めます。

負債総額は、前連結会計年度末から6億6千4百万円減少し、8億2千1百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末から6億3千6百万円減少し、5億4千万円となりました。これは主にその他の減少5億9千8百万円、未払金の減少3千6百万円及び前受金の減少1千8百万円等によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末から2千7百万円減少し、2億8千万円となりました。この主な要因は、役員退職慰労引当金の減少2千1百万円等によるものであります。

純資産は、前連結会計年度末から4千7百万円減少し、59億7百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金の減少9千3百万円及び自己株式の減少4千万円等によるものであります。この結果、自己資本比率は87.8%となりました。

 

(2) 経営成績の分析

当連結会計年度におけるわが国経済は、訪日外客数の増加が続き、インバウンド需要の拡大が観光業を中心に回復の兆しを見せています。一方で、企業においては賃上げと物価上昇のバランスを取ることが引き続き課題とされ、物流コストや人件費の増加が業績に影響を与える可能性も指摘されています。このように、全体としては回復基調にあるものの、外的要因による不透明な状況が続いています。

こうした中、当社グループでは、HRソリューション関連情報において既存の商品・サービスに加え、新たな需要に対応する単発求人情報提供サービス「アルパリンク」をリリースしました。また、大手求人ポータルサイトとの連携を強化し、採用管理システム「アルパコネクト」の利用拡大を進めました。さらに、外国人労働者の入国増加に伴い、技能実習や特定技能ビザに対応したサービスを拡充するとともに、外国人向け介護ビザ資格取得支援アプリを開発し、幅広いサービス提供を行いました。生活関連情報では、家づくり相談・紹介サービス「家づくり学校」においてオンライン校の展開を拡大し、新規エリアでの集客基盤を強化しました。賃貸物件検索サービス「賃貸スタイル」では、検索エンジン対策やコンバージョン率向上を図る施策を講じる一方、サイト情報の充実化にも取り組み、利用者満足度の向上を目指しました。

この結果、HRソリューション関連情報では、インターネット経由の営業収益が前年を上回ったものの、地方自治体からの受託事業規模の縮小により、全体の営業収益は減少しました。生活関連情報では、家づくり相談・紹介サービスにおける成約率の向上やオンライン展開の成果が営業収益に寄与しました。一方で、賃貸物件検索サービスは、大手検索エンジンのアルゴリズム変更によるサイトへの訪問数の減少が影響し、営業収益が大幅に減少しました。これらにより、営業収益は24億6千7百万円(前年同期比7.2%減)となり、営業利益は3億4百万円(前年同期比17.2%減)、経常利益は3億1千9百万円(前年同期比15.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億4千1百万円(前年同期比35.1%減)となりました。

 

①営業収益の分析

当社グループの主力事業である情報関連事業の当連結会計年度における営業収益は20億9千万円(前年同期比12.0%減)となりましたが、これを分析すると下記のとおりであります。

なお、当社グループは情報関連事業以外に、他社印刷物の受注に係る印刷事業及びウェブサイトの構築・運営等を営んでおりますが、重要性が乏しいため記載は省略しております。

 

a 情報関連事業の営業収益の状況
(HRソリューション関連情報)

HRソリューション関連情報につきましては、ペーパーメディアの衰退及び地方自治体からの受託事業規模の縮小により、営業収益は10億8千8百万円(前年同期比7.6%減)となりました。

 

(生活関連情報)

生活関連情報につきましては、賃貸物件情報サービス「賃貸スタイル」が大手検索エンジンのアルゴリズム変更による影響を受け、営業収益は10億2百万円(前年同期比16.5%減)となりました。

 

b 情報関連事業のエリア別営業収益の状況
(岡山県、広島県、香川県及び山口県)

岡山県エリアにおける営業収益は、5億3千2百万円(前年同期比20.0%減)、広島県エリアにおける営業収益は、3億2百万円(前年同期比22.9%増)、香川県エリアにおける営業収益は、2億1千7百万円(前年同期比19.9%増)、山口県エリアにおける営業収益は、1億3百万円(前年同期比42.8%減)となりました。この主な要因は、HRソリューション関連情報の営業収益の増減等によるものであります。

 

(その他)

その他のエリアにおける営業収益は、9億3千4百万円(前年同期比15.2%減)となりました。この主な要因は、その他のエリアでの、生活関連情報の営業収益が減少したことによるものであります。

 

②営業原価の分析

当連結会計年度の営業原価は、18億1百万円(前年同期6.0%減)となりました。この主な要因は、営業収益の減少に伴う外注加工費の減少等によるものであります。

 

③販売費及び一般管理費の分析

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、3億6千1百万円(前年同期比3.3%減)となりました。この主な要因は、広告宣伝費の減少等によるものであります。

 

④営業外損益の分析

当連結会計年度の営業外収益は、1千6百万円(前年同期比7.0%増)となりました。この主な要因は、新株予約権戻入益の発生等によるものであります。営業外費用は、1百万円(前年同期比55.2%減)となりました。この主な要因は、その他の減少等によるものであります。

 

⑤特別損益の分析

当連結会計年度の特別利益は、2千1百万円となりました。この主な要因は、役員慰労引当金戻入額の発生によるものであります。特別損失の計上はありません。なお、前連結会計年度における特別利益及び特別損失の計上はありません。

 

c 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、中期経営計画等を具体的に運用しておらず、経営方針・経営戦略等又は経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等がないため、記載を省略しております。

 

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

①キャッシュ・フローの状況

 

 

前連結会計年度
(百万円)

当連結会計年度
(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

282

△293

投資活動によるキャッシュ・フロー

△238

167

財務活動によるキャッシュ・フロー

△84

△295

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

△41

△420

現金及び現金同等物の期首残高

1,126

1,085

現金及び現金同等物の期末残高

1,085

664

 

 

当連結会計年度は、下記の理由により、現金及び現金同等物の期末残高が6億6千4百万円と前年同期と比べ4

億2千万円の減少となりました。なお、現金及び現金同等物以外に定期預金44億円を保有しております。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローにより減少した資金は、2億9千3百万円(前年同期は2億8千2百万円の増加)となりました。これは税金等調整前当期純利益3億4千万円、減価償却費4千7百万円、役員退職慰労引当金の減少額2千1百万円、売上債権の減少額5千2百万円、その他の流動負債の減少額6億5千万円、法人税等の支払額6千9百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローにより増加した資金は、1億6千7百万円(前年同期は2億3千8百万円の減少)となりました。これは主に定期預金の払戻による収入46億2千万円による資金増加と定期預金の預入による支出44億2千万円及び有形固定資産の取得による支出1千7百万円等による資金減少によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローにより減少した資金は、2億9千5百万円(前年同期は8千4百万円の減少)となりました。これは配当金の支払額3億3千3百万円及び自己株式の処分による収入3千8百万円によるものであります。

 

②収益の認識基準と前受金との関係について

当社グループは広告主からの広告掲載に係る申込について、1回掲載のものだけでなく複数回掲載の申込についても受け付けております。ただし、料金の回収については初回掲載日を起算日として一括請求しております。そのため、営業収益を認識する広告掲載日以前に料金の回収が行われる場合が発生します。この場合は、広告掲載料の回収時に前受金として会計処理を行い、当該回収分が掲載された時に営業収益を計上しております。家づくり相談・紹介サービスは住宅建築工事の着工日に収益を認識し、請求しているため前受金の計上額はありません。なお、当連結会計年度末現在の前受金の額は7千4百万円(前年同期比19.5%減)であります。

 

③現金及び預金の保有方針について

当連結会計年度末の現金及び預金の額は、50億8千4百万円(対総資産比率75.6%)となっておりますが、新規事業の開発、新規エリアへの進出等の事業拡大に備えるための資金であります。

 

④資本の財源及び資金の流動性について

当社グループにおける資金需要の主なものは、製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用による運転資金及び設備投資資金であります。当社グループの資金の源泉は主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金であります。

 

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成しております。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。