第一部【証券情報】

第1【募集要項】

1【新規発行社債(短期社債を除く。)】

銘柄

株式会社野村総合研究所第15回無担保社債(社債間限定同順位特約及び譲渡制限付)

記名・無記名の別

券面総額又は振替社債の総額(円)

金3,000,000,000円

各社債の金額(円)

金100,000,000円

発行価額の総額(円)

金3,000,000,000円

発行価格(円)

各社債の金額100円につき金100円

利率(%)

年1.483%

利払日

毎年3月14日及び9月14日

利息支払の方法

1. 利息支払の方法及び期限

 

(1) 本社債の利息は、払込期日の翌日から本社債を償還すべき日(以下「償還期日」という。)までこれを付け、2025年9月14日を第1回の支払期日としてその日までの分を支払い、その後毎年3月14日及び9月14日(以下、2025年9月14日とあわせて「利払日」と総称する。)の2回に各々その日までの前半か年分を支払う。

 

なお、各利払日に各本社債の社債権者(以下「本社債権者」という。)に支払われる利息額は以下により計算される金額となる。

 

別記「(注)11. 社債原簿の記録の管理及び社債原簿管理人」第(2)号記載の社債原簿管理人が備える社債原簿における本社債権者が保有する各本社債の金額の総額に一通貨あたりの利子額を乗じて得られる金額。ただし、円位未満の端数が生じた場合にはこれを切り捨てる。「一通貨あたりの利子額」とは、1円に別記「利率」欄記載の利率を乗じ、それを2で除して得られる金額(ただし、半か年に満たない期間につき一通貨あたりの利子額を計算するときは、その半か年の日割をもってこれを計算した金額)をいう。ただし、小数点以下第13位未満の端数が生じた場合は、これを切り捨てる。

 

(2) 利息を支払うべき日が銀行休業日に当たるときは、その支払は前銀行営業日にこれを繰り上げる。

 

(3) 償還期日後は利息を付けない。ただし、償還期日に別記「(注)6. 財務代理人」第(1)号記載の財務代理人に対して本社債の元利金支払資金の預託(以下「資金預託」という。)がなされなかった場合には、当該未償還元金について、償還期日の翌日から、現実に支払がなされた日又は資金預託がなされた旨を本社債権者に通知した日から5銀行営業日を経過する日のいずれか早い日まで、別記「利率」欄記載の利率による遅延損害金を付ける。

 

(4) 利払日に資金預託がなされなかった場合には、当該未払利息について、利払日の翌日から、現実に支払がなされた日又は資金預託がなされた旨を本社債権者に通知した日から5銀行営業日を経過する日のいずれか早い日まで、別記「利率」欄記載の利率による遅延損害金を付ける。

 

2. 利息の支払場所

 

別記「(注)10. 元利金の支払」第(1)号記載のとおり。

償還期限

2030年3月14日

償還の方法

1. 償還金額

 

各社債の金額100円につき金100円

 

2. 償還の方法及び期限

 

(1) 本社債の元金は、2030年3月14日にその総額を償還する。

 

(2) 償還期日が銀行休業日に当たるときは、その支払は前銀行営業日にこれを繰り上げる。

 

(3) 本社債の買入消却は、法令に別途定められている場合を除き、払込期日の翌日から償還期日の3銀行営業日前の日(償還期日が銀行休業日に当たるときは、4銀行営業日前の日とする。)までの期間、いつでもこれを行うことができる。

 

 

 

3. 償還元金の支払場所

 

別記「(注)10. 元利金の支払」第(1)号記載のとおり。

募集の方法

一般募集

申込証拠金(円)

各社債の金額100円につき金100円とし、払込期日に払込金に振替充当する。申込証拠金には利息を付けない。

申込期間

2025年3月13日

申込取扱場所

野村證券株式会社の本店及び国内各支店

払込期日

2025年3月14日

振替機関

担保

本社債には担保及び保証は付されておらず、また本社債のために特に留保されている資産はない。

財務上の特約(担保提供制限)

1. 当社は、本社債の未償還残高が存する限り、本社債発行後、当社が国内で既に発行した又は国内で今後発行する他の無担保社債(ただし、別記「財務上の特約(その他の条項)」欄で定義する担付切換条項が特約されている無担保社債を除く。)に担保を提供する場合(当社の資産に担保権を設定する場合、当社の特定の資産につき担保権設定の予約をする場合及び当社の特定の資産につき特定の債務以外の債務の担保に供しない旨を約する場合をいう。)には、本社債のために担保付社債信託法に基づき、同順位の担保権を設定しなければならない。

 

2. 当社が前項により本社債のために担保権を設定する場合には、当社は直ちに登記その他必要な手続きを完了し、かつ、その旨を担保付社債信託法第41条第4項の規定に準じて公告する。

財務上の特約(その他の条項)

本社債には担付切換条項等その他の財務上の特約は付されていない。担付切換条項とは、純資産額維持条項等当社の財務指標に一定の事由が生じた場合に期限の利益を喪失する旨の特約を解除するために担保権を設定する旨の特約又は当社が自らいつでも担保権を設定することができる旨の特約をいう。

 (注)1. 信用格付業者から提供され、若しくは閲覧に供された信用格付

本社債について、当社は株式会社格付投資情報センター(以下「R&I」という。)からAA-(ダブルAマイナス)の信用格付を2025年3月13日付で取得している。

R&Iの信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定どおりに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見である。R&Iは信用格付によって、個々の債務等の流動性リスク、市場価値リスク、価格変動リスク等、信用リスク以外のリスクについて、何ら意見を表明するものではない。R&Iの信用格付は、いかなる意味においても、現在・過去・将来の事実の表明ではない。また、R&Iは、明示・黙示を問わず、提供する信用格付、又はその他の意見についての正確性、適時性、完全性、商品性、及び特定目的への適合性その他一切の事項について、いかなる保証もしていない。

R&Iは、信用格付を行うに際して用いた情報に対し、品質確保の措置を講じているが、これらの情報の正確性等について独自に検証しているわけではない。R&Iは、必要と判断した場合には、信用格付を変更することがある。また、資料・情報の不足や、その他の状況により、信用格付を取り下げることがある。

一般に投資に当たって信用格付に過度に依存することが金融システムの混乱を引き起こす要因となり得ることが知られている。

本社債の申込期間中に本社債に関してR&Iが公表する情報へのリンク先は、R&Iのホームページ(https://www.r-i.co.jp/rating/index.html)の「格付アクション・コメント」及び同コーナー右下の「一覧はこちら」をクリックして表示されるリポート検索画面に掲載されている。なお、システム障害等何らかの事情により情報を入手することができない可能性がある。その場合の連絡先は以下のとおり。

R&I:電話番号 03-6273-7471

2. 社債の券面

本社債については、本社債を表章する社債券は発行しない。

3.期限の利益喪失に関する特約

(1) 当社は、次の各場合のいずれかに該当したときは、直ちに本社債総額について期限の利益を喪失する。

① 当社が別記「償還の方法」欄第2項第(1)号の規定に違背したとき。

② 当社が別記「利息支払の方法」欄第1項第(1)号の規定に違背し、5銀行営業日を経過してもこれを履行できないとき。

③ 当社が別記「財務上の特約(担保提供制限)」欄の規定に違背したとき。

 

④ 当社が本社債以外の社債について期限の利益を喪失し、又は期限が到来しても元金の弁済をすることができないとき。ただし、当社が当該社債について支払期日までに資金預託をし、かつ、かかる支払期日から5銀行営業日以内に現実の支払が行われた場合は、この限りではない。

⑤ 当社が社債を除く借入金債務について期限の利益を喪失したとき、若しくは当社以外の社債又はその他の借入金債務に対して当社が行った保証債務について履行義務が発生したにもかかわらずこれを履行できないとき。ただし、当該債務の合計額(邦貨換算後)が10億円を超えない場合は、この限りではない。

⑥ 当社が、破産手続開始、民事再生手続開始若しくは会社更生手続開始の申立をし、又は取締役会において解散(合併の場合を除く。)の議案を株主総会に提出する旨の決議を行ったとき。

⑦ 当社が、破産手続開始、民事再生手続開始若しくは会社更生手続開始の決定、又は特別清算開始の命令を受けたとき。

⑧ 当社の株主総会が解散(合併の場合を除く。)の決議をしたとき。

(2) 前号の規定により期限の利益を喪失した場合には、当社は直ちにその旨を本社債権者に通知する。

(3) 期限の利益を喪失した本社債は、直前の利払日の翌日から期限の利益喪失日までの経過利息を付けて直ちに償還するものとする。ただし、期限の利益喪失日に資金預託がなされなかった場合には、当該元本及び期限の利益喪失日までの経過利息について、期限の利益喪失日の翌日から、現実に支払がなされた日又は資金預託がなされた旨を本社債権者に通知した日から5銀行営業日を経過する日のいずれか早い日まで、別記「利率」欄記載の利率による遅延損害金を付ける。

4. 社債権者に対する通知及び公告の方法

(1) 本社債に関し、本社債権者に対し通知する場合は、全ての本社債権者に直接通知する方法(電磁的方法を含む。)のほか、法令に別段の定めがある場合を除き、次号に規定する公告の方法によりこれを行うことができる。

(2) 本社債に関し、本社債権者に対し公告する場合は、法令に別段の定めがある場合を除き、当社の定款所定の電子公告の方法によりこれを行うものとする。ただし、電子公告の方法によることができない事故その他のやむを得ない事由が生じた場合は、当社の定款所定の新聞紙並びに東京都及び大阪市で発行する各1種以上の新聞紙(ただし、重複するものがあるときは、これを省略することができる。)にこれを掲載する。

5. 社債管理者の不設置

本社債は会社法第702条ただし書の要件を充たすものであり、本社債の管理を行う社債管理者は設置されない。

6. 財務代理人

(1) 当社は、株式会社三井住友銀行を財務代理人として、本社債の事務を委託する。

(2) 財務代理人は、社債権者に対していかなる義務又は責任も負わず、また社債権者との間にいかなる代理関係又は信託関係を有しない。

(3) 財務代理人を変更する場合、当社は事前にその旨を本(注)4.に定める方法により社債権者に通知する。

7. 社債権者集会に関する事項

(1) 本社債の社債権者集会は、本社債の種類(会社法第681条第1号に定める種類をいう。)の社債(以下「本種類の社債」という。)の社債権者により組織され、法令に別段の定めがある場合を除き、当社がこれを招集するものとし、社債権者集会の日の2週間前までに、社債権者集会を招集する旨及び会社法第719条各号に掲げる事項を本種類の社債の社債権者に通知する。なお、当社は、電磁的方法により当該通知を発することができる。

(2) 本種類の社債の社債権者集会は、東京都においてこれを行う。

(3) 本種類の社債の総額(償還済みの額を除く。また当社が有する本種類の社債の金額の合計額は算入しない。)の10分の1以上に当たる本種類の社債を有する社債権者は、社債権者集会の目的である事項及び招集の理由を記載した書面を当社に提出して、本種類の社債の社債権者集会の招集を請求することができる。

8. 社債要項の公示

当社は、その本店に本社債の社債要項の謄本を備え置き、その営業時間中、一般の閲覧に供する。

9. 本社債の譲渡

(1) 本社債権者は、その保有する本社債の全部又は一部を譲渡することができる。ただし、各利払日又は償還期日の2銀行営業日前の日(利払日又は償還期日が銀行休業日に当たるときは、その3銀行営業日前の日とする。)から当該利払日又は償還期日までの期間、本社債を譲渡することはできない。また、本社債が金融機関(租税特別措置法第8条第1項に規定する金融機関をいう。以下同じ。)又は金融商品取引業者等(同条第2項に規定する金融商品取引業者等をいう。以下同じ。)の固有財産とならず、かつ、①譲渡の相手方が金融商品取引業者(同条第1項第2号に規定する金融商品取引業者をいう。以下同じ。)若しくは登録金融機関(同号に規定する登録金融機関をいう。以下同じ。)に対して金融商品取引法第2条第8項第16号に掲げる行為に係る業務としての本社債の預託を行わない場合又は②金融商品取引業者若しくは登録金融機関以外の者が譲渡しようとする場合も同様とする。

(2) 本社債権者が本社債を譲渡する場合は、本(注)11. 第(1)号に定めるibet for Finを利用した、当社が別途指定する方式に従わなければならない。

(3) 本社債権者は、本社債につき質権を設定することはできないものとする。

10. 元利金の支払

(1) 本社債に係る元利金の支払は、本(注)6. 第(1)号記載の財務代理人が当社の定める方法により本社債権者から元利金の支払請求及び代理受領の委任を受けた者(金融機関又は金融商品取引業者等が固有財産として本社債を有する場合は当該金融機関又は金融商品取引業者等を含み、以下「元利金支払事務取扱者等」という。)を通じて行う。

(2) 本社債権者の当社に対する元利金の請求権は、前号による元利金支払事務取扱者等への支払をもって消滅する。

11. 社債原簿の記録の管理及び社債原簿管理人

(1) 社債原簿の記録の管理

本社債の社債原簿の記録の管理には、株式会社BOOSTRY(以下「BOOSTRY」という。)が開発し、ibet for Finコンソーシアムが運営、管理するブロックチェーンネットワーク(限定された参加者のみがアクセス可能なネットワーク上の台帳に取引の情報を記録して資産の保存や移転の手段として使われるネットワークをいう。以下同じ。)であるibet for Fin(以下「ibet for Fin」という。)が利用される。

(2) 社債原簿管理人

株式会社三井住友銀行

 

2【社債の引受け及び社債管理の委託】

(1)【社債の引受け】

引受人の氏名又は名称

住所

引受金額

(百万円)

引受けの条件

野村證券株式会社

東京都中央区日本橋一丁目13番1号

3,000

1. 引受人は、本社債の全額につき買取引受けを行う。

2. 本社債の引受手数料は各社債の金額100円につき金27.5銭とする。

3,000

 (注) 本社債は金融商品取引業等に関する内閣府令(以下「金商業等府令」という。)第153条第1項第4号ハに掲げる社債券に該当し、当社は、金商業等府令第147条第3号に規定する本社債の主幹事会社である野村證券株式会社の親法人等に該当します。当社は、野村證券株式会社の完全親会社である野村ホールディングス株式会社の関連会社です。本社債の発行価格及び利率(以下「発行価格等」という。)の決定を公正かつ適切に行うため、本社債の発行価格等は、日本証券業協会の定める「有価証券の引受け等に関する規則」第25条の2に定めるプレ・マーケティングの手続きに従い決定しました。

 

(2)【社債管理の委託】

 該当事項はありません。

 

3【新規発行による手取金の使途】

(1)【新規発行による手取金の額】

払込金額の総額(百万円)

発行諸費用の概算額(百万円)

差引手取概算額(百万円)

3,000

80

2,920

 (注) 発行諸費用の概算額には、消費税等は含まれていません。

 

(2)【手取金の使途】

 上記差引手取概算額2,920百万円は、全額を運転資金として、2026年3月末までに、AIを活用した生産革新等のAI関連研究開発費に充当する予定です。

 

第2【売出要項】

 該当事項はありません。

 

【募集又は売出しに関する特別記載事項】

リスク及び留意事項について

 本社債に対する投資の判断に当たっては、発行登録書、訂正発行登録書及び発行登録追補書類その他の内容の他に、以下に示すような様々なリスク及び留意事項を特に考慮する必要があります。

 本社債への投資には、一定のリスクが伴います。本社債への投資を検討される方は、本社債のリスクを理解し、自らの個別的な財務状況、本書に記載される本社債に関する情報に照らし、本社債が投資に相応しいか否かを慎重に検討された後に、投資判断を下すべきです。ただし、以下の記載は本社債に含まれる全てのリスクを網羅した完全な記載を意図したものではありません。

 以下に記載する1つ又は複数の要因の変化によって、他の要因を理由とする本社債の取引価値の変動が、一部又は全部相殺されることがあることを理解すべきです。

 

(1) 本社債の流通市場の不存在及び譲渡制限に関するリスク

 本社債を中途売却するための流通市場が現在において形成されておらず、野村證券株式会社を介した本社債の売買により流通市場が形成された場合でも、かかる流通市場に流動性があるという保証はありません。また、たとえ流動性があったとしても、社債権者は、円金利市場及び当社の信用状況の変動等、数多くの要因により、満期日前に本社債を売却することにより大幅な損失を被る可能性があります。

 また、本社債は、本社債が金融機関又は金融商品取引業者等の固有財産とならず、かつ、①譲渡の相手方が金融商品取引業者若しくは登録金融機関に対して金融商品取引法第2条第8項第16号に掲げる行為に係る業務としての本社債の預託を行わない場合又は②金融商品取引業者若しくは登録金融機関以外の者が譲渡しようとする場合には譲渡することができないところ、社債権者のブロックチェーンネットワーク上のアカウント及び秘密鍵を野村證券株式会社が管理するという技術的な構成を採用していることから、野村證券株式会社以外の第三者への譲渡は困難であり、中途換金の方法は野村證券株式会社への売却に事実上限定されます。加えて、野村證券株式会社は本社債の買取りの義務を負っておらず、かつ、一定の金額での買取りを保証するものではないことから、社債権者が希望する条件で本社債の売却を行うことができない可能性、又は本社債の売却自体ができない可能性があります。さらに、本社債は、売却は申込期間の翌銀行営業日以降から可能になることに加えて、利払日又は償還期日の2銀行営業日前の日(利払日又は償還期日が銀行休業日に当たるときは、その3銀行営業日前の日とします。)から当該利払日又は償還期日までの期間は野村證券株式会社を含むいかなる者に対しても譲渡できません。また、本社債では売買取引の約定の成立から譲渡まで2銀行営業日かかることから、利払日又は償還期日の4銀行営業日前の日から2銀行営業日前の日までの期間(利払日又は償還期日が銀行休業日に当たるときは、その5銀行営業日前の日から3銀行営業日前の日までの期間とします。)は、いかなる者との間でも売買取引の約定を行うことはできません。そのため、本社債を社債権者が希望する時期に売却できない場合があります。

 

(2) 当社の信用リスク

 本社債の価値は、当社の信用格付、財務状況若しくは業績が実際に変化した場合又はその変化が予想される場合に影響を受けることがあります。また、本社債の償還の確実性は、当社の信用力に依拠しており、当社の信用状況が損なわれた場合、社債権者に損失が生じる可能性があります。

 

(3) 中途売却価格に影響する要因

 上記「(1) 本社債の流通市場の不存在及び譲渡制限に関するリスク」において記載したように、本社債を償還前に売却できない場合があります。また、売却できる場合も、その価格は、次のような要因の影響を受けます。

 満期日前の本社債の価格は、様々な要因に影響され、ある要因が他の要因を打ち消す場合も、あるいは相乗効果をもたらす場合もあるなど、それぞれの要因が複雑に関係します。以下に、他の要因が一定の場合に、ある要因だけが変動したと仮定した場合に予想される本社債の価格への影響を例示します。

 

① 金利

 円金利が下落すると本社債の価格が上昇し、円金利が上昇すると本社債の価格が下落する傾向があると予想されますが、当社の信用状況によってはかかる傾向が変化するため、以上の傾向が逆転する可能性もあります。

 

② 当社の格付

 一般的に信用格付業者により当社の格上げが行われると本社債の価格は上昇し、格下げが行われると本社債の価格は下落すると予想されます。

 

(4) 会計制度・税制リスク

 本社債はセキュリティ・トークンとして発行される電子記録移転有価証券表示権利等であるため、日本の税法上、本社債が普通社債と同様に取り扱われないこととなる場合には、本社債に対して投資した者に対する課税上の取扱いが以下の記載の内容と異なる可能性があります。

 また、以下の記載の内容は、あくまでも一般的な課税上の取扱いについて述べるものであって、今後の日本の税法の改正等により変更が生じる可能性があること、及び全ての課税上の取扱いを網羅的に述べるものではなく、かつ、例外規定の適用によって記載されている内容とは異なる取扱いがなされる場合もあることに留意ください。本社債に投資しようとする投資家は、各投資家の状況に応じて、本社債に投資することによるリスクや本社債に投資することが適当か否かについて各自の会計・税務顧問に相談する必要があります。

 内国法人が支払を受けるべき本社債の利息は、それが国内における支払の取扱者を通じて支払われる場合には、一定の公共法人等及び金融機関等を除き、日本の税法上、15.315%(15%の所得税及び復興特別所得税(所得税額の2.1%)の合計)の源泉徴収税が課されます。当該利息は課税所得に含められ、日本国の所得に関する租税の課税対象となります。なお、当該内国法人は当該源泉徴収税額を、一定の制限の下で、日本国の所得に関する租税から控除することができます。

 内国法人が本社債を譲渡した場合には、その譲渡による譲渡益は益金の額として、譲渡損は損金の額として、法人税の課税所得の計算に算入されます。

 

(5) 法令・規制・制度等に関するリスク

 本社債及びその取引は、金融商品取引法はもとより、関連する各種法令・規制・制度等(金融商品取引業協会の規則を含みます。)の規制を受けています。本社債又はその募集がこれらの法令・規制・制度等に違反するとされた場合、本社債の商品性や本社債の取引に影響が生じる可能性があります。

 

(6) 本社債の特性に起因するリスク要因及びその他の留意点

 本社債は、「社債、株式等の振替に関する法律」(以下「振替法」という。)の適用を受けず、株式会社証券保管振替機構(以下「証券保管振替機構」という。)が発行・流通・決済等に関与する振替社債ではないことから、本社債を譲渡する場合には、振替法に定める振替機関を通じずに譲渡が行われ、その譲渡に係る対抗要件である社債原簿の記録も電磁的記録によって行われるという特性を有しています。

 本社債は、電子記録移転有価証券表示権利等に該当します。本社債の社債原簿の記録の管理にはブロックチェーンネットワークが利用されます。当社は、株式会社三井住友銀行を社債原簿管理人として、本社債の社債原簿に関する業務を委託しており、本社債の社債原簿の記録の管理等は、株式会社三井住友銀行において行われます。

 売買等により本社債の権利者の変更が生じた場合には、上記の方法で社債原簿の記録が書き換えられた時点で、会社法上、当社及び第三者に対する対抗要件が具備されることになります。

 上述のとおり、本社債は、電子記録移転有価証券表示権利等であり、振替法の適用を受けず、証券保管振替機構が発行・流通・決済等に関与する振替社債ではないことから、本社債の保有、譲渡や決済等に関して、振替社債に該当する一般的な円貨建て社債とは異なる以下のリスク・取扱上の注意点があります。

 

① 本社債の売買その他の取引に当たっては、ibet for Finコンソーシアムが運営、管理するブロックチェーンネットワークの存在を前提とする情報システムが用いられており、かつ、本社債はブロックチェーンネットワーク及びコンセンサス・アルゴリズム(ブロックチェーンネットワークにおける合意形成の方法をいう。以下同じ。)を用いて、権利の移転や権利の帰属に係る対抗要件である社債原簿の記録の管理が行われるため、サイバー攻撃により不正アクセスが行われた場合等には、本社債に係る情報が流出し、又は本社債に係る記録が改ざんされ若しくは消滅する可能性があります。その結果、本社債の実体法上の権利関係と社債原簿の記録に乖離が生じ、技術的な理由によりブロックチェーンネットワーク及びコンセンサス・アルゴリズムにおける本社債に係る記録や社債原簿の記録を改ざん等が発生する前の時点の記録に戻すことが困難となるおそれがあります。かかる場合には、実体法上の権利者に対する本社債の元利金の支払が行われなくなる、実体法上の権利者が本社債を譲渡することができなくなる、又は本社債の譲渡に係る社債原簿の記録ができなくなること等により、損害を被る可能性があります。

 

② その他上記以外の原因により本社債の社債原簿の記録の管理に用いるブロックチェーンネットワーク若しくは社債原簿管理人が管理するシステムや利用する通信回線に重大な障害が生じた場合又は野村證券株式会社のシステム障害等により、取引情報をibet for Finコンソーシアムが運営、管理するブロックチェーンネットワークに通常通り連携できなくなった場合には、本社債の元利金の支払、譲渡及び譲渡に係る社債原簿の記録等に大幅な遅延が生じ、又はこれらができなくなり、損害を被る可能性があります。

 

③ 本社債の売買その他の取引には上記のとおりブロックチェーンネットワークの存在を前提とする情報システムが用いられており、本社債の権利の移転や権利の帰属に係る対抗要件の具備は社債原簿の記録の管理を通じて行われるため、情報システム上に本社債の保有者の情報が登録されます。当該情報は当社が業務を委託する株式会社三井住友銀行及び野村證券株式会社によって適切に管理される予定ですが、サイバー攻撃により不正アクセスが行われ、当該情報の漏洩や不正利用等の事態が生じた場合には、当社の社会的な信用の失墜や損害賠償責任が発生するおそれがあります。

 

④ 本社債の社債原簿の記録の管理に関する業務は株式会社三井住友銀行に委託しております。業務委託先が当社の期待通りに業務を行うことができない場合、本社債の権利等の保有、移転や決済等に関して影響が生じることにより、損害を被る可能性があります。また、本社債の社債原簿の記録の管理のために用いられるibet for Finは、BOOSTRYが事務局を務めるibet for Finコンソーシアムによって運営及び管理され、また、ibet for Finにおいて本社債を表示する財産的価値(トークン)の記録及び移転に係るトランザクションを承認するノードは、現時点においてはBOOSTRYのみが保有します。そのため、BOOSTRYが管理するシステムや利用する通信回線に重大な障害が生じた場合又はその信用状況等が悪化し当社の期待通りに業務を行うことができない場合等は、本社債の権利等の保有、移転や決済等に関して影響が生じることにより、損害を被る可能性があります。

 

 なお、本社債に関するリスク・取扱上の注意点は、上記以外にも想定され得るものであり、上記に記載した事項が全てではありません。

 

第3【第三者割当の場合の特記事項】

 該当事項はありません。

 

第4【その他の記載事項】

 本社債は、電子記録移転有価証券表示権利等に該当します。本社債に係る財産的価値の記録及び移転のために用いる技術(以下「デジタル社債基盤技術」という。)、本社債の募集、本社債の取得及び譲渡並びに本社債の社債原簿の記録の管理のために用いるプラットフォーム(以下「デジタル社債プラットフォーム」という。)、デジタル社債基盤技術を提供する者(以下「デジタル社債基盤技術提供者」という。)、デジタル社債プラットフォームを提供する者(以下「デジタル社債プラットフォーム提供者」という。)並びに管理報酬等及びその他の手数料等については以下のとおりです。

 

1 デジタル社債基盤技術及びデジタル社債プラットフォーム

(1) デジタル社債基盤技術の名称、内容及び選定理由

 本社債の募集、取得及び譲渡を、BOOSTRYが開発する分散型台帳技術を用いたコンピュータシステムであるibet for Finにて管理し、本社債に係る財産的価値の記録及び移転がibet for Finへの記録によって行われます。当該記録に連動するシステム上の帳簿は、ibet for Finにおいて登録される社債権者等に係る情報とともに、本社債の社債原簿を構成します。ibet for Finの構成技術としては、「コンソーシアム型」のデジタル社債基盤技術を採用し、具体的なデジタル社債基盤技術において利用されるブロックチェーン(以下「デジタル社債基盤技術基盤」という。)としてGoQuorumを採用しています。各技術の選定理由は以下のとおりです。

① 「コンソーシアム型」デジタル社債基盤技術の内容及び選定理由

 一般に、デジタル社債基盤技術はその特性に応じて大きく3種類のものに大別されます。1つ目は「パブリック型」と呼ばれる誰でもノード(ネットワークに参加する者又は参加するコンピュータ等の端末のことをいう。以下同じ。)としてのネットワーク参加が可能なデジタル社債基盤技術です。「パブリック型」のデジタル社債基盤技術において利用されるブロックチェーンとして、BitcoinやEthereumのブロックチェーンが挙げられます。2つ目は「プライベート型」と呼ばれる特定の1社が提供するデジタル社債基盤技術です。「プライベート型」は特定の1社が提供するシステムでデータや権限が複数企業に分散している「パブリック型」や「コンソーシアム型」とは異なる仕組みです。3つ目は「コンソーシアム型」と呼ばれる、許可された複数の参加者がノードとしてネットワーク運用を行うデジタル社債基盤技術です。

 セキュリティ・トークン(デジタル社債)を扱うデジタル社債基盤技術としては、顧客資産の流出を未然に防止するため、セキュリティ確保の蓋然性が高いものを選択することが重要であり、「コンソーシアム型」の持つ以下の特性により、セキュリティリスクを極小化する観点から、より望ましい技術として当社は評価しています。

(イ)ネットワークにアクセス可能な者が限定的

 「パブリック型」では不特定多数の主体がネットワークにアクセスすることが可能ですが、「コンソーシアム型」ではアクセス範囲の限定が可能です。

(ロ)トランザクションを作成しうるノードの限定・選択が可能

 「パブリック型」では誰でもブロックチェーンに取り込まれるデータ(ブロックチェーン上の記録)を作成することができるため、不特定の者がネットワーク上でトランザクション(財産的価値の移転についての記録をいう。以下同じ。)を作成することが可能ですが、「コンソーシアム型」ではブロックチェーンに取り込まれるデータを作成することができるノードとして参加するためにはネットワーク運営者の許可が必要なため、データの作成者が限定され、また特定の者を選択することも可能です。

(ハ)トランザクション作成者の特定が可能

 「パブリック型」では不特定多数の者がネットワーク上でトランザクションを作成することが可能であり、また、それらの者の氏名・住所等の本人情報とデジタル社債基盤技術上で公開されているアドレスとが紐づけられていないため、特定のトランザクションを誰が作成したかを特定することは困難ですが、「コンソーシアム型」ではブロックチェーンに取り込まれるデータを作成できるノードの保有者は特定されているため、誰がいつ書き込んだかを全て追跡することが可能です。

(ニ)障害耐性

 「プライベート型」では特定の1社がデジタル社債基盤技術を提供することとなるため、当該提供者において障害が生じた場合にはネットワーク全体が正常に稼働できないこととなる可能性がありますが、「コンソーシアム型」においては複数の分散されたノードで運営することで、一部のノードがシステム障害等で停止したとしても、ネットワーク全体としては正常な稼働の継続を図ることが可能です。

 

② デジタル社債基盤技術基盤GoQuorumの内容及び選定理由

 GoQuorumは、2016年にJ.P.Morgan Chase & Co.によってEthereumをベースとして金融分野におけるエンタープライズ用途で開発されたブロックチェーンプロトコルです。GoQuorumの有する以下の特徴から、「コンソーシアム型」デジタル社債基盤技術基盤の中でもより望ましいものとして当社は評価しています。

(イ)高い障害耐性とファイナリティ

 ibet for Finは、「コンソーシアム型」を採用しているため、一部のノードがシステム障害等で停止したとしても、ネットワーク全体としては正常な稼働の継続を図ることが可能であることに加えて、GoQuorumが対応するコンセンサス・アルゴリズムのうち、ビザンチン耐性、すなわち障害や悪意等で異常な振る舞いをする一部のノードが存在したとしてもブロックチェーン全体としては正常に作動することが可能となる特徴を有する「Quorum BFT」を採用していることから、高い障害耐性があるといえます。また、ブロックチェーン上での取引データはファイナリティ(決済完了性)を有しており、後から取引が覆るリスクやブロックの改ざんに対する耐性も高いものとなります。

(ロ)Ethereumとの互換性

 GoQuorumは、「パブリック型」ブロックチェーンのEthereumをベースに開発されており、Ethereumとの一定の互換性を有しております。そのため、分散型金融の基盤となっているEthereumのソースコードや周辺ツール群の利用が可能で、高い拡張性を有しております。

 

(2) デジタル社債プラットフォームの名称、内容及び選定理由

 セキュリティ・トークン(デジタル社債)の取引を支える仕組みとして、投資家の権利が保全され、譲渡に際しても安定的に権利を移転でき、かつそれらの処理を効率的に実現できるプラットフォームを選択することが重要です。

 本社債の取得及び譲渡は、BOOSTRYが開発を主導するセキュリティ・トークン(デジタル社債)の発行及び管理プラットフォームであるibet for Finを利用して行います。本社債の募集は、本社債の引受けを行う野村證券株式会社が管理する既存のコンピュータシステムを通じて行い、ibet for Finと連携します。投資家は本社債の取得に際して、野村證券株式会社経由でのみ申し込みを行います。投資家は直接ibet for Finにアクセスすることはなく、投資家のibet for Finにおけるアカウント・秘密鍵は野村證券株式会社が管理し、野村證券株式会社を経由して取引データが記録・更新されます。

 ibet for Finはセキュリティ・トークン(デジタル社債)を扱うためのスマートコントラクト(ブロックチェーン上のトークンの移転を一定の条件に従って自動的に執行するためのプログラム)やネットワーク運営が整っており、社債や証券化商品等の様々な有価証券を発行・管理できる仕組みとなっています。また、国内の金融機関等で組織されたコンソーシアムがネットワークを共同運営しており、その運営についても安定しています。社債発行において実務上適切に権利者を管理できるITサービスが提供されており、公募の社債型セキュリティ・トークン(デジタル社債)の取扱い実績もあることから適切なプラットフォームといえます。

 

2 デジタル社債基盤技術提供者及びデジタル社債プラットフォーム提供者

株式会社BOOSTRY

 ibet for Finは、BOOSTRYが開発を主導しています。BOOSTRYはibet for Finのibet for Finコンソーシアムにおける事務局として、コンソーシアム規約に則り、ノードの運営・ブロックの承認・ネットワークの維持等を担っております。

 

3 管理報酬等及びその他の手数料等

 該当事項はありません。

 

4 電子記録移転有価証券表示権利等に関するリスク

 上記「募集又は売出しに関する特別記載事項 リスク及び留意事項について」をご参照ください。

 

第二部【公開買付け又は株式交付に関する情報】

 該当事項はありません。

 

第三部【参照情報】

第1【参照書類】

 会社の概況及び事業の概況等金融商品取引法第5条第1項第2号に掲げる事項については、以下に掲げる書類を参照すること。

 

1【有価証券報告書及びその添付書類】

 事業年度 第59期(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)2024年6月24日関東財務局長に提出

 

2【半期報告書】

 事業年度 第60期中(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)2024年11月13日関東財務局長に提出

 

3【臨時報告書】

 1の有価証券報告書提出後、本発行登録追補書類提出日(2025年3月13日)までに、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2の規定に基づく臨時報告書を2024年6月24日に関東財務局長に提出

 

第2【参照書類の補完情報】

 上記に掲げた参照書類としての有価証券報告書及び半期報告書(以下「有価証券報告書等」という。)の提出日以後本発行登録追補書類提出日(2025年3月13日)までの間において、有価証券報告書等に記載された「事業等のリスク」について生じた変更その他の事由はありません。

 また、有価証券報告書等には将来に関する事項が記載されていますが、当該事項は本発行登録追補書類提出日現在においてもその判断に変更はありません。なお、当該将来に関する事項については、その達成を保証するものではありません。

 

第3【参照書類を縦覧に供している場所】

株式会社野村総合研究所 本店

(東京都千代田区大手町一丁目9番2号)

株式会社野村総合研究所 大阪総合センター

(大阪府大阪市北区中之島三丁目2番4号)

株式会社東京証券取引所

(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

 

第四部【保証会社等の情報】

 該当事項はありません。