名 称 太田興産株式会社
所在地 横浜市港北区新横浜二丁目4番15号
普通株式
3 【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】
当社は、2025年3月10日開催の取締役会において、下記「(2) 意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに関して、賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
なお、上記取締役会決議は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認」に記載の方法により決議されております。
本「(2) 意見の根拠及び理由」の記載のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
公開買付者は、本日現在、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます)を827,853株(所有割合(注1):25.63%)所有しており、当社の主要株主である筆頭株主(2024年10月31日現在の順位をいいます。以下、株主の順位に関する記載において同じです。)に該当するとのことです。また、公開買付者は、当社の第5位株主(所有株式数:122,200株(注2)、所有割合:3.78%)及び代表取締役社長である北野俊氏(以下「北野俊氏」といいます。)の配偶者であり、当社の第2位株主(所有株式数:279,230株、所有割合:8.65%)である北野淳子氏(以下「北野淳子氏」といいます。)が代表取締役を務める当社の創業者一族の資産管理会社であるとのことです。公開買付者の株式は、北野俊氏、北野淳子氏、両氏の長男である北野航氏(以下「北野航氏」といいます。)及び両氏の次男である北野隼氏 (以下「北野隼氏」といいます。)の4名がそれぞれ2.15%、81.52%、8.17%及び8.17%(いずれも公開買付者の発行済株式総数に対する割合をいい、小数点以下第三位を四捨五入しているとのことです。)を所有しているとのことです。なお、本日現在、北野航氏及び北野隼氏は当社株式を所有していないとのことです。
(注1) 「所有割合」とは、当社が2025年3月10日に公表した「2025年4月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「当社第3四半期決算短信」といいます。)に記載された2025年1月31日現在の当社の発行済株式総数(3,230,500株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(665株)を控除した株式数(3,229,835株)に対する割合をいい、小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、所有割合の計算において同じとします。
(注2) 当社は、譲渡制限付株式報酬として当社の取締役及び従業員に対し譲渡制限付株式(以下「本譲渡制限付株式」といいます。)を割り当てているところ、北野俊氏の所有株式数122,200株(所有割合:3.78%)には、同氏に割り当てられた本譲渡制限付株式5,000株(所有割合:0.15%)が含まれておりますが、本譲渡制限付株式には譲渡制限が付されているため、本株式貸借(下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」で定義します。以下同じです。)の合意の対象としていないとのことです。
今般、公開買付者は、当社株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式、本不応募合意株式(以下で定義します。)及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社株式を非公開化することを目的とする、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)のための一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを2025年3月10日に決定したとのことです。なお、北野俊氏は、本取引後も継続して当社の代表取締役として経営にあたることを予定しているとのことです(注3)。また、本日現在、公開買付者は、当社のその他の取締役との間で本取引後の役員就任について何らの合意も行っていないとのことです。
(注3) 公開買付者は、本取引は当社の代表取締役社長である北野俊氏が一部出資している公開買付者が買付者となり、当社の事業の継続を前提として当社株式を取得するものであることから、マネジメント・バイアウト(MBO)に該当すると考えているとのことです。
本公開買付けの開始にあたり、公開買付者は、2025年3月10日付で、北野俊氏(所有株式数:122,200株、所有割合:3.78%)、北野淳子氏(所有株式数:279,230株、所有割合:8.65%)及び当社の第4位株主(所有株式数:160,409株、所有割合:4.97%)であり、北野淳子氏の母である太田寿美子氏(以下「太田寿美子氏」といい、北野俊氏、北野淳子氏及び太田寿美子氏を総称して、以下「本不応募合意株主」といいます。)との間で、①本不応募合意株主それぞれが所有する当社株式の全て(所有株式数の合計:561,839株、所有割合の合計:17.40%。以下「本不応募合意株式」といいます。)について、本公開買付けに応募しない旨、②本公開買付けが成立した場合には、当社の株主を公開買付者及び本不応募合意株主のみとし、当社株式を非公開化するための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)として実施される株式併合(下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」で定義します。以下同じです。)の承認に係る当社の株主総会において、本スクイーズアウト手続に関連する各議案に賛成する旨、及び③株式併合の効力発生前に公開買付者の要請があった場合には、本株式貸借を行う旨を口頭で合意しているとのことです。また、本株式貸借が実行された場合には、株式併合の完了後、かつ、裁判所の任意売却許可決定に基づき端数相当株式が当社又は公開買付者に売却された後、本株式貸借を解消し、本不応募合意株主に対して、本株式貸借の対象である当社株式と同等の当社株式を返還すること、及びかかる当社株式の返還を実行するため、当該返還に先立って、公開買付者と本不応募合意株主が共同して、当社をして当社株式の分割を行わせることも併せて合意しているとのことです(総称して、以下「本合意」といいます。)。本合意の詳細については、下記「(7) 公開買付者と当社の株主・取締役等との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。
なお、公開買付者は、公開買付者の資金負担を一定程度抑えるとともに、下記「②公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、各施策の実行により短期的には当社グループ(下記「②公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」で定義します。)の利益水準の低下やキャッシュ・フローの悪化をもたらすリスクがあると想定しており、また、そのようなリスクを受容することができる創業者一族において、引き続き当社の株主として当社の経営を支援・支持してもらうことに意義があると考えていることから、本不応募合意株主は本公開買付けに応募せず、当社の株主として存続させることにしたとのことです。
公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の下限を761,600株(所有割合:23.58%)に設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限(761,600株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、上記のとおり、本公開買付けは当社株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式、本不応募合意株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することを目的としているため、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設けておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限(761,600株)以上の場合は、応募株券等の全ての買付け等を行うとのことです。
かかる買付予定数の下限(761,600株)を設定したのは、公開買付者は、本取引において、当社株式を非公開化することを目的としており、下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の株式併合の手続を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされていることから、本取引の実施を確実に遂行すべく、本公開買付けの成立後に公開買付者及び公開買付者との間で当社の株主総会において本スクイーズアウト手続に関連する各議案に賛成する旨の合意をしている本不応募合意株主が合計で当社の総株主の議決権の数の3分の2以上を所有することで、当該要件を満たすことができるように設定したものであるとのことです。具体的には、当社第3四半期決算短信に記載された2025年1月31日現在の発行済株式総数(3,230,500株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(665株)を控除した株式数(3,229,835株)に係る議決権の数(32,298個)に3分の2を乗じた数(21,532個)から、本日現在において公開買付者が所有する当社株式数(827,853株)に係る議決権の数(8,278個)、本不応募合意株式(561,839株)に係る議決権の数(5,618個)及び当社の取締役(但し、重複計上を避けるため、本不応募合意株式を所有する本不応募合意株主に含まれる北野俊氏を除きます。)が所有する本譲渡制限付株式(合計2,000株(注4))に係る議決権の数(20個)を控除した数(7,616個)に当社の単元株式数である100株を乗じた株式数(761,600株)としているとのことです。
(注4) 本譲渡制限付株式には譲渡制限が付されており、本公開買付けに応募することはできませんが、当社は、2025年3月10日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議していることから、本譲渡制限付株式を所有する当社の取締役は、本公開買付けが成立した場合には、本スクイーズアウト手続として実施される株式併合の承認に係る当社の株主総会において、本スクイーズアウト手続に関連する各議案に賛成することを見込んでおります(なお、当社の取締役のうち、北野俊氏は公開買付者との間で、本合意の内容として、当社の株主総会において本スクイーズアウト手続に関連する各議案に賛成する旨を口頭で合意しているとのことです。)。
公開買付者は、本公開買付けにより当社株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式、本不応募合意株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。
公開買付者は、本公開買付けが成立した場合、本公開買付けに係る決済等に要する資金として、本公開買付けの決済の開始日の2営業日前までに、株式会社三井住友銀行及び株式会社横浜銀行からそれぞれ885,000千円を上限として借入れ(以下「本銀行融資」といいます。)を受けることを予定しており、かかる資金をもって、本公開買付けの資金決済等に充当する予定であるとのことです。なお、本銀行融資に係る融資条件の詳細は、株式会社三井住友銀行及び株式会社横浜銀行と別途協議の上、本銀行融資に係る融資契約において定めることとされておりますが、本銀行融資に係る融資契約では、本公開買付けに係る公開買付届出書の添付書類である融資証明書に記載されている融資実行の前提条件及び一定の財務制限条項等の同種の融資契約に通常定められる契約条件が規定される予定とのことです。
当社は、1926年12月に個人経営として横浜市鶴見区において石油・油脂塗料の販売を開始し、1951年5月に業務内容の多角化、販売網の拡大及び経営内容の充実を背景に株式会社朝日商会として設立され、1970年5月に株式会社朝日に、1992年5月に現社名である株式会社サンオータスに商号変更しました。その後、当社は、1999年12月に社団法人日本証券業協会(以下「日本証券業協会」といいます。)に店頭登録銘柄として株式公開し、2004年12月には株式会社ジャスダック証券取引所(以下「ジャスダック証券取引所」といいます。)が創設されたことに伴い、日本証券業協会への株式店頭登録を取り消し、ジャスダック証券取引所に株式を上場しました。その後、2010年4月に行われたジャスダック証券取引所と株式会社大阪証券取引所(以下「大阪証券取引所」といいます。)の合併に伴い大阪証券取引所(JASDAQ市場)に上場、2013年7月に行われた株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)と大阪証券取引所の統合に伴い東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)市場に上場を経て、現在は2022年4月に行われた東京証券取引所の市場区分見直しに伴い東京証券取引所スタンダード市場に上場しております。なお、東京証券取引所における市場区分見直しに関し、東京証券取引所スタンダード市場における上場維持基準の一つとして流通株式時価総額が10億円以上であるところ、移行基準日(2021年6月30日)時点における当社の流通株式時価総額は7.8億円と、上記基準を充たしていなかったことから、当社は、2021年12月13日付で上場維持基準の適合に向けた計画書を作成し当該計画に基づいた各種取組みを進めた結果、2023年5月31日付「上場維持基準の適合に向けた計画に基づく進捗状況について(全項目適合のお知らせ)」に記載したとおり、2023年4月末日時点の当社の流通株式時価総額は上記基準を上回る11.7億円となり東京証券取引所スタンダード市場の上場維持基準の全ての項目に適合することになりました。しかし、2024年6月17日付「上場維持基準への適合に向けた計画について」に記載したとおり、2024年4月末日時点における当社の流通株式時価総額は9.6億円となり上場維持基準である10億円を再度充たさないこととなったため、改めて上場維持基準の適合に向けた計画書(以下「本計画書」といいます。)を作成しましたが、2025年3月10日開催の当社取締役会において、上場廃止を前提とした本公開買付けに賛同する旨の意見を決議したことから、本公開買付けが成立することを条件として、本計画書を撤回することを併せて決議しました。
本日現在、当社のグループは、当社及び連結子会社3社(総称して、以下「当社グループ」といいます。)で構成され、創業来、神奈川県を営業基盤として(ⅰ)エネルギー事業、(ⅱ)カービジネス事業、(ⅲ)ライフサポート事業及び(ⅳ)不動産関連事業の4部門で事業活動を行っております。各事業の概要は次のとおりです。
エネルギー事業では、ガソリン、軽油、灯油、重油及び潤滑油等の石油関連商品の小売及び卸売や自動車整備事業を行っており、サービスステーションにおける洗車や車検を強みとしております。
カービジネス事業では、プジョー(PEUGEOT)及びジープ(Jeep)ブランドの新車・中古車の販売及び整備・点検等の各種サービスの販売やオリックス自動車株式会社の代理店業務を中心としたレンタカー業務を行っております。
ライフサポート事業では、ほけんの窓口グループ株式会社の代理店業務を中心とした生命保険・自動車保険・損害保険の募集業務及び法人向けの損害保険の募集業務を行っております。
不動産関連事業では、不動産賃貸業及びビルメンテナンス業務を行っております。
また、当社グループは、2022年5月に新中期経営計画(2022年5月~2025年4月)『トータルカーサービスからモビリティサービス企業へ~胎動から成長へ~』(以下「当社中期経営計画」といいます。)を開始し、中長期ビジョンとして脱炭素社会への取組みと地域・観光MaaS(注5)の推進を通して、エネルギーとモビリティに関して世の中に必要とされる企業を目指しております。
(注5) 「MaaS」とは、「Mobility as a Service」の略で、地域住民や旅行者一人一人の移動ニーズに対応して、複数の交通手段を最適に組み合わせて一つのサービスとして統合し、移動の利便性を高める次世代の交通サービスであり、電車、バス、タクシー及びシェアサイクル等の交通手段を一括で検索・予約・決済できるようにすることで、サービスを利用するユーザーの移動の効率化に資する重要な手段となるもののことを指します。
一方で、公開買付者は、当社グループを取り巻く石油製品販売業界における経営環境について、ウクライナ・中東情勢の長期化や為替相場の円安によるエネルギー価格、原材料価格、配送コスト等の高騰等により、先行きの不透明な状況が続くと予想しているとのことです。加えて、世界的な脱炭素社会の実現に向けた電気・水素等の化石燃料を代替するエネルギーの普及、少子高齢化の進展による国内人口の減少や若者の嗜好の変化に伴う自動車離れの影響を受けて自動車関連産業の需要は減少傾向にあり、中長期的にも厳しい事業環境が継続することを予想しているとのことです。
このような当社を取り巻く事業環境のもと、公開買付者は、当社が今後も更なる成長を達成するためには、従来のエネルギー事業、カービジネス事業にとどまらず、新たなビジネスモデルの構築を目指し、中長期的な視点で経営戦略を立案し、それに基づく抜本的な改革施策を機動的に実践する必要があり、具体的には以下の施策を実行することが必要であると考えているとのことです。
近年、自動車関連産業においては、少子高齢化の進展や若者の嗜好の変化による自動車離れに伴い、「所有」から「利用」へ消費者の志向が変化しつつある中、カーシェアサービスやマイクロモビリティ(注6)のレンタルサービス普及など、多様化したMaaSへのニーズが高まりつつあるとのことです。特に、神奈川県経済は、湘南などの観光資源、通学時間の長さ、高齢化等などモビリティに関する様々な潜在的なニーズを秘めていると認識しており、当社グループの所有する人的・経済的ネットワークを始めとした様々な経営資源の活用と積極的な開発投資の実行が必要であると考えているとのことです。当社中期経営計画にて、既存事業基盤の強化拡大としてサービスステーション店舗を30店舗に拡大、MaaSの展開としてポート(注7)数を200ヶ所、マイクロモビリティ車両数を1,000台設置といった取組みを掲げている中、2024年3月時点でサービスステーション店舗は23店舗、ポート数は75ヶ所、マイクロモビリティ車両数は100台の状況であり、モビリティサービス事業を新たな収益の柱として構築し企業価値向上を図るには、更なる投資拡大と抜本的な施策の実行が必要であると認識しているとのことです。施策の詳細については、以下のとおりとのことです。
(a)カーシェアやレンタカー、キックボードビジネスでの投資拡大
上記のとおり、自動車関連産業における多様化したMaaSのニーズに対応するべく、マイクロモビリティの車両数、車両種類及びポート数拡大に向けた積極的な投資の実行によるマイクロモビリティサービスの拡充を図っていくとのことです。バイクや電動キックボード等のマイクロモビリティの実装やカーシェアサービスの展開などの実施により、消費者の多種多様なニーズに対応可能なビジネスモデルの構築が可能であると考えているとのことです。
(b)地域MaaS、観光MaaS、都心MaaSの実証開発
当社グループは、これまで移動困難地域や外出機会創出に向けた移動手段の提供(地域MaaS)、公共交通機関や宿泊・観光施設、飲食店と提携(観光MaaS)、渋滞回避、環境保全に適した安全で安心な移動手段の開発・提供(都心MaaS)の実現に向けた実証開発に取り組んでいますが、当社のモビリティ部門は過去3期において毎期50百万円から80百万円の営業損失を計上しており、収益化に向けては3年から5年程度にわたるマイクロモビリティ車両とポート数の拡充のための投資が必要であると考えているとのことです。今後は早期に収益化すべく、更なる積極的な投資の実行により、取組みを加速させていくとのことです。
(c)予約決済システムや保険事業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進
マイクロモビリティの予約決済システムを一元化するアプリの導入等への継続的な投資を実行していくとのことです。当社グループの既存サービスの利用円滑化に加えて、上記(a)、(b)の施策の取組みの進展、普及の加速も見込むことができると考えているとのことです。
(注6) 「マイクロモビリティ」とは、個人が短距離の移動に利用する小型な移動手段全般を指しており、電動キックボードや電動バイク等が含まれます。
(注7) 「ポート」とは、電動キックボードや電動バイク等のマイクロモビリティの貸し出し及び返却を行う場所のことを指します。
当社グループの強みであるサービスステーションにおける洗車や車検の付加価値向上による油外収益強化を進めることに加えて、電気自動車や燃料電池自動車の普及を見据えた急速充電設備及び水素充填設備の拡充を計画しているとのことです。具体的には、当社中期経営計画において掲げるEV急速充電器の16ヶ所追加設置に対して、2024年3月時点ではEV急速充電器の追加設置数は10ヶ所に留まっていることから、新エネルギーへの取組みに対する更なる投資拡大を行い、エネルギー拠点としてのインフラ価値の向上、電気自動車利用者を始めとした新規ユーザーの獲得を推進していくとのことです。また、電気自動車を対象としたレンタカー、カーリース、カーシェアサービスの拡大を進め、脱炭素社会におけるサービスステーションの総合エネルギー拠点化を目指し、当社グループの優位性を確立していくとのことです。
これまで、石油製品販売を中心としたエネルギー事業は当社グループの事業セグメントの中でも主要な収益源であり、直近の決算期である2024年4月期においてもエネルギー事業のセグメントの売上高は約106億円(各事業セグメント売上高の合計に占める割合の約63%)、セグメント利益は約4億円(各事業セグメント利益の合計に占める割合の約70%)と、エネルギー事業は当社グループの事業セグメントの構成比の中で高い割合を占めていると認識しております。一方、石油製品販売業界における経営環境につきましては、ウクライナ・中東情勢の長期化や為替相場の円安によるエネルギー価格、原材料価格、配送コスト等の高騰、世界的な脱炭素社会の実現に向けた化石燃料の代替するエネルギーの普及により、中長期的には石油製品の需要は減退する見込みであると考えており、このような環境下において、継続的な企業成長を実現するためには、上記(ⅰ)、(ⅱ)の施策の実行を視野に入れた経営資源の効率的な再配分を行うことによる事業ポートフォリオの再構築に取り組む必要があると認識しているとのことです。短期的には、収益化までの先行投資に加え、既存主要事業における投資減少に伴う当社グループの売上高及び収益の低下を招く懸念がありますが、中長期的には新たな収益基盤の確立による当社グループの高収益な企業体質の実現に寄与することとなり、結果として当社グループの更なる成長に繋がると考えているとのことです。
一方で、公開買付者は、上記の各施策の実行は、中長期的に見れば当社グループの事業の成長及び収益の安定化が見込まれるものの、直ちに当社グループの利益に貢献できるものではなく、相応の時間と経営資源の投資等の多額の各種先行投資が必要となることから、短期的には当社グループの利益水準の低下やキャッシュ・フローの悪化をもたらすリスクがあると想定しているとのことです。現状、当社が上場を維持したままこれらの各施策を実行した場合には、資本市場からの十分な評価を得ることができず、当社株式の市場株価に悪影響を及ぼす等の不利益を当社の少数株主の皆様に与える可能性があると考えているとのことです。
また、公開買付者は、上記のとおり、2024年4月30日時点における流通株式時価総額が9.6億円であり、東京証券取引所スタンダード市場の上場維持基準の一つである流通株式時価総額の基準への不適合により上場廃止に至るおそれがあると認識しているとのことです。さらに、近年の資本市場に対する規制強化により、金融商品取引法や東京証券取引所規則等の各種適用法令に基づく継続的な情報開示に要する費用や監査費用等の上場維持コストは増加しており、株式の上場を維持することが当社の経営上の負担となっていることは否定できない一方で、金融機関より当座貸越枠等を確保し、効率的な運転資金の調達を行ってきた当社の実績を踏まえると、当社の事業活動に必要な資金は自己資金及び金融機関からの借入によって確保することが可能であると考えており、かつ、近時の低金利環境においては間接金融が調達手段として優れていると考えられることから、エクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は当面見込まれず、また取引先を含む外部からの一定の信用力やネームバリューは既に確立されていると考えていることも踏まえると、上場維持のメリットは相対的に減少していると認識しているとのことです。
そのため、公開買付者は、2024年10月18日、本取引を行うことによって、当社の株主の皆様に合理的な価格での投下資本回収の機会を提供することで、当社の株主の皆様が上場維持基準への不適合に伴う上場廃止による不利益を被ることを回避しつつ、当社株式の売却機会を提供することが、当社の少数株主の皆様にとっても合理的な選択であるとの判断に至ったとのことです。
なお、当社株式の非公開化に伴い、上場維持のメリットは享受できなくなりますが、取引先との信頼関係は既に一定程度構築されており、当社株式の非公開化を理由に既存の取引関係が大きく剥落することはないと考えられることや、これまでの事業運営により積み重ねてきた信頼や獲得してきたネームバリューに関しては、上場廃止により直ちに失われるものではないと考えられることから、公開買付者としては、当社株式の非公開化によるデメリットは特段想定していないとのことです。
上記を踏まえ、公開買付者は、2024年10月25日、当社が今後も株式の上場を維持することによるメリット、デメリット等を慎重に勘案した結果、マネジメント・バイアウト(MBO)の手法により当社株式を非公開化することが、当社の株主の皆様に対して発生する可能性がある上記の悪影響やリスクを回避するとともに、中長期的な視点から抜本的かつ機動的な経営戦略を迅速果敢に実践し、当社の企業価値を向上させるために最も有効な手段であるとの判断に至ったとのことです。
なお、公開買付者としては、上記のとおり、当社はエネルギー事業、カービジネス事業、ライフサポート事業及び不動産事業を営む上で各々の事業で相応の事業基盤を確保し、多角的な経営を行っていると認識しているとのことです。公開買付者としては、当社のこの特色を最大限に活かし、抜本的かつ機動的な経営戦略を迅速に実践していくためには特定の事業会社との資本提携はかえって弊害となる可能性が否定できないと考え、他の事業会社と資本提携を行うことは検討していないとのことです。
以上の考えのもと、公開買付者は、2024年11月6日から、当社株式の非公開化について具体的な検討を開始し、2024年12月12日、当社に対して本取引の目的及び意義、想定するスケジュール等並びに本公開買付け及び本スクイーズアウト手続を通じた当社株式の非公開化を提案する旨を記載した法的拘束力を有しない意向表明書(以下「本意向表明書」といいます。)を提出したとのことです。公開買付者は、同日に当社から、本特別委員会(下記「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」で定義します。)を設置し本取引の実施に向けた協議・交渉に応じる旨の連絡を受けたとのことです。そして、公開買付者は、本取引を検討するにあたり、2024年12月25日に公開買付者、本不応募合意株主及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザーとしてSMBC日興証券株式会社を、公開買付者、本不応募合意株主及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとしてシティユーワ法律事務所を、公開買付者、本不応募合意株主及び当社から独立した財務・税務に関するデュー・ディリジェンスを担うアドバイザーとして株式会社J-TAPアドバイザリーをそれぞれ選任したとのことです。その後、公開買付者は、2024年12月30日から2025年2月6日まで当社に対するデュー・ディリジェンスを実施したとのことです。また、公開買付者は、2025年1月14日及び2025年2月7日に本特別委員会を通じて質問事項書を受領するとともに、2025年2月13日に本特別委員会を通じて公開買付者に対するインタビューを受け、本取引の背景(本取引に係る提案を上記時期に行うに至った背景を含みます。)、経緯、非公開化の必要性、目的及び効果、本取引後の経営方針、本取引のスキーム等について、確認を受けたとのことです。
そして、公開買付者は、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)についてさらに具体的な検討を進め、当社に対するデュー・ディリジェンスの結果、当社の財務情報等及び当社の株価の動向等を総合的に勘案し、2025年2月4日、当社に対し、本公開買付価格を680円(提案日の前営業日である2025年2月3日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値556円に対して22.30%(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、プレミアムの計算において同じです。)、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値541円(円未満を四捨五入しております。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して25.69%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値530円に対して28.30%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値530円に対して28.30%のプレミアムを加えた価格とのことです。)とする旨の初回の価格提案書を提出したとのことです。これに対し、公開買付者は、2025年2月7日、当社より、当該提案価格は、当社の足元の市場株価に対して一定のプレミアムを含むものであるものの、必ずしも十分な水準にあるとはいえず、当社の株主の皆様にとってより納得感のある価格条件が肝要であるとして、本公開買付価格の再検討を要請されたとのことです。その後、公開買付者は、2025年2月12日、当社に対し、本公開買付価格を740円(提案日の前営業日である2025年2月10日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値569円に対して30.05%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値548円に対して35.04%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値533円に対して38.84%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値534円に対して38.58%のプレミアムを加えた価格とのことです。)とする2回目の価格提案書を提出したとのことです。これに対し、公開買付者は、2025年2月13日、当社より、当該提案価格は、当社の足元の市場株価に対して一定のプレミアムを含むものであるものの、依然として十分な水準に達しているとはいえず、当社の株主の皆様にとってより納得感のある価格条件が肝要であるとして、本公開買付価格の再検討を要請されたとのことです。その後、公開買付者は、2025年2月18日、当社に対し、本公開買付価格を780円(提案日の前営業日である2025年2月17日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値572円に対して36.36%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値555円に対して40.54%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値536円に対して45.52%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値535円に対して45.79%のプレミアムを加えた価格とのことです。)とする3回目の価格提案書を提出したとのことです。これに対し、公開買付者は、2025年2月21日、当社より、当該提案価格は、当社の足元の市場株価に対して一定のプレミアムを含むものであるものの、近時の同種取引事例のプレミアム水準と比較して十分であるとはいえず、長期保有者を含めた少数株主の利益、及び当社にて作成したスタンドアローン(当社事業が単独で自律していることを前提にしてシナジー価値等のプレミアムを加算しない事業計画)を前提とした2025年4月期から2028年4月期までの4期分の事業計画(以下「本事業計画」といいます。)を踏まえた当社株式の本源的価値が十分に考慮された水準とはいえないとして、本公開買付価格の再検討を要請されたとのことです。その後、公開買付者は、2025年2月27日、当社に対し、本公開買付価格を810円(提案日の前営業日である2025年2月26日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値583円に対して38.94%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値565円に対して43.36%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値541円に対して49.72%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値538円に対して50.56%のプレミアムを加えた価格とのことです。)とする4回目の価格提案書を提出したとのことです。これに対し、公開買付者は、2025年2月28日、当社より、当該提案価格は本事業計画を踏まえた当社株式の本源的価値を一定程度考慮した水準であるものの、近似の同種取引事例のプレミアム水準と比較して必ずしも十分であるとはいえず、長期保有者を含めた当社の少数株主にとってより納得感のある価格を提案いただきたいとして、本公開買付価格の再検討を要請されたとのことです。その後、公開買付者は、2025年3月4日、当社に対し、本公開買付価格を830円(提案日の前営業日である2025年3月3日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値609円に対して36.29%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値576円に対して44.10%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値546円に対して52.01%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値538円に対して54.28%のプレミアムを加えた価格とのことです。)とする5回目の価格提案書を提出したとのことです。これに対し、公開買付者は、2025年3月5日、当社より、当該提案価格は本事業計画を踏まえた当社株式の本源的価値を相当程度考慮した水準であるものの、近似の同種取引事例のプレミアム水準と比較して十分であると言えない面もあると認識しており、様々な意見を持つ当社の株主がいると想定されるとして、本公開買付価格の再検討を要請されたとのことです。その後、公開買付者は、2025年3月6日、当社に対し、当該公開買付価格は公開買付者として提案可能な最大限の価格であり、かつ、最終提案として、本公開買付価格を835円(提案日の前営業日である2025年3月5日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値607円に対して37.56%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値584円に対して42.98%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値549円に対して52.09%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値539円に対して54.92%のプレミアムを加えた価格とのことです。)とする6回目の価格提案書を提出したとのことです。これに対し、公開買付者は、2025年3月7日、当社より、最終的な意思決定は2025年3月10日に開催される当社取締役会での決議によることを前提として、当該提案価格に内諾する旨の回答を受領したとのことです。
以上の協議及び交渉を経て、公開買付者は、2025年3月10日、本公開買付価格を835円(決定日の前営業日である2025年3月7日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値615円に対して35.77%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値587円に対して42.25%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値551円に対して51.54%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値540円に対して54.63%のプレミアムを加えた価格とのことです。)とし、本取引の一環として本公開買付けを実施することを決定したとのことです。
本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)に該当し、北野俊氏は、本取引後も継続して代表取締役社長として当社の経営にあたることを予定しており、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の各施策を推進する予定とのことです。なお、本取引後も当社の現在の経営体制を維持することを基本方針としているとのことですが、公開買付者と当社のその他の取締役との間では、本取引後の役員就任及び処遇について何らの合意も行っておらず、本取引後の当社の役員構成を含む経営体制の詳細については、本取引後、当社と協議しながら決定していく予定とのことです。
当社は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、2024年12月12日に、公開買付者から本意向表明書が提出されたことを踏まえ、本取引に関する具体的な検討を開始いたしました。
当社は、2024年12月12日開催の当社取締役会決議により、当社の独立社外取締役であり弁護士として法律に関する高い見識を有する高橋理一郎氏、同じく当社の独立社外取締役であり自動車業界での長年にわたる経験、企業経営及び営業戦略における高い知見を有する藤田和由氏、同じく当社の独立社外取締役であり警察官としての長年の経験に裏付けられた高い倫理観と社会性を有する小嶋郁夫氏及び同じく当社の独立社外取締役であり金融機関における長年の経験と財務等に関する豊富な知見を有する北村俊和氏の4名によって構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。なお、本特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容等については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置し、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値の向上に資するか否かを含みます。)、(ⅱ)本取引の条件の妥当性(本取引の実施方法や対価の種類の妥当性を含みます。)、(ⅲ)本取引の手続の公正性(いかなる公正性担保措置をどの程度講じるべきかの検討を含みます。)、(ⅳ)上記を踏まえ本取引(当社取締役会が本公開買付けに対して賛同の意見表明を行うこと及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを含みます。)の決定が当社の少数株主にとって不利益なものでないかについて諮問いたしました(以下では(ⅰ)乃至(ⅳ)を総称して「本諮問事項」といいます。)。
また、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本公開買付けがマネジメント・バイアウト(MBO)のための本取引の一環として行われるものであり、構造的な利益相反の問題が存在すること等を踏まえ、本公開買付価格の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、2024年12月19日に、本取引と同種の取引である、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)を含む非公開化を想定した公開買付け事例に関する公表内容等を踏まえ、独立性及び専門性・実績等を検討の上、公開買付者、本不応募合意株主及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとして弁護士法人R&G横浜法律事務所(以下「R&G横浜法律事務所」といいます。なお、R&G横浜法律事務所は当社の法律顧問契約締結先ですが、当社から多額の金銭その他の財産を得ておりません。)を、また、公開買付者、本不応募合意株主及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてみそうパートナーズ株式会社(以下「みそうパートナーズ」といいます。)を、それぞれ本特別委員会の承認を得られることを条件として選任いたしました。そして、当社は、本取引の公正性を担保するため、R&G横浜法律事務所による本取引に関する意思決定の過程、方法その他の本取引に関する意思決定に当たっての留意点等についての助言を踏まえ、直ちに、公開買付者及び本不応募合意株主から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の少数株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始しました。
当社は、上記取締役会及び2024年12月19日開催の当社取締役会において、本特別委員会の設置にあたり、当社取締役会における本取引に関する意思決定は、本公開買付けへの賛否を含め、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うものとすること、及び本特別委員会が本取引の実施又は取引条件が妥当でないと判断した場合には、当社取締役会は本取引の実施を承認しない(本公開買付けに賛同しないことを含みます。)ものとすることを決議するとともに、本特別委員会に対し、公開買付者との間で取引条件等についての交渉(当社役職員やファイナンシャル・アドバイザー若しくは第三者算定機関及びリーガル・アドバイザーを通じた間接的な交渉を含みます。)を行うこと、本諮問事項に関する答申を行うに際し、必要に応じ、自らの財務若しくは法務等に関するアドバイザーを選任し(この場合の費用は当社が負担します。)、又は、財務若しくは法務等に関するアドバイザーを指名し若しくは承認(事後承認を含みます。)すること(なお、本特別委員会は、当社のアドバイザー等を信頼して専門的助言を求めることができると判断した場合には、当社のアドバイザー等に対して専門的助言を求めることもできます。)、本特別委員会が必要と認める者に本特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求めること、本事業計画の内容及び作成の前提に係る情報を含め、当社の役職員から本取引に関する検討及び判断に必要な情報を受領すること、その他本取引に関する検討及び判断に際して必要であると本特別委員会が認める事項について権限を付与することを決議いたしました。
また、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2024年12月19日、本特別委員会において、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみそうパートナーズ並びに当社のリーガル・アドバイザーであるR&G横浜法律事務所について、その独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けました。
さらに、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、公開買付者及び本不応募合意株主から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制を当社の社内に構築いたしました。具体的には、当社は、本取引に係る検討、交渉及び判断(当社の株式価値の評価の基礎となる本事業計画の作成等高い独立性が求められる職務を含みます。)は、全て公開買付者及び本不応募合意株主から独立した者が担当することとした上で、構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれを排除する観点から、本取引に関して公開買付者の検討、交渉及び判断に参加若しくは補助する者は関与せず、公開買付者及び本不応募合意株主からの独立性が認められる取締役1名(久米健夫氏)、総務部長及び経理部長の合計3名のみで構成するものとしており、2024年12月19日、かかる検討体制に独立性・公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けております。
かかる体制の下で、当社は、本取引の目的を含む本公開買付けの概要、本取引が当社に与える影響、本取引後の経営方針の内容や足元の株価動向を踏まえ、公開買付者から受けた本公開買付価格の提案内容を適時に本特別委員会に共有し、当社の少数株主の利益に配慮する観点から、当社としての交渉方針に係る本特別委員会からの意見を受け、また、みそうパートナーズから当社株式の株式価値の算定結果に関する報告、公開買付者との交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、R&G横浜法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応についての法的助言を受け、これらを踏まえ、以下のとおり、公開買付者との間で、2025年3月7日まで複数回にわたる協議・交渉を行いました。
具体的には、当社は、2025年1月14日及び同年2月7日に本特別委員会を通じて公開買付者に対する質問事項書を送付するとともに、同年2月13日に本特別委員会を通じて公開買付者に対するインタビューを実施し、本取引の背景(本取引に係る提案を上記の時期に行うに至った背景を含みます。)、経緯、非公開化の必要性、目的及び効果、本取引後の経営方針、本取引のスキーム等について、確認を行いました。
また、本公開買付価格については、当社は、2025年2月4日、公開買付者より、本公開買付価格を680円(提案日の前営業日である2025年2月3日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値556円に対して22.30%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値541円に対して25.69%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値530円に対して28.30%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値530円に対して28.30%のプレミアムを加えた価格とのことです。)とする旨の初回の価格提案書を受領しました。これに対し、当社は、みそうパートナーズによる当社株式の株式価値の試算結果や近年のスクイーズアウトを前提とした公開買付け事例におけるプレミアム割合の水準と乖離があること等を踏まえると必ずしも十分な水準にあるとはいえず、可能な限り当社の株主の皆様の利益に配慮する観点から、当該提案価格で応諾するのではなくより高い買付価格を要請することが適切である旨の本特別委員会の意見等を踏まえ、2025年2月7日、当社は、公開買付者に対し、当該提案価格は、当社の足元の市場株価に対して一定のプレミアムを含むものであるものの必ずしも十分な水準にあるとはいえず、当社の株主の皆様にとってより納得感のある価格条件が肝要であるとして、本公開買付価格の再検討を要請いたしました。その後、当社は、2025年2月12日、公開買付者より、本公開買付価格を740円(提案日の前営業日である2025年2月10日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値569円に対して30.05%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値548円に対して35.04%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値533円に対して38.84%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値534円に対して38.58%のプレミアムを加えた価格とのことです。)とする2回目の価格提案書を受領しました。これに対し、当社は、みそうパートナーズによる当社株式の株式価値の試算結果や近年のスクイーズアウトを前提とした公開買付け事例におけるプレミアム割合の水準となお乖離があること等を踏まえると必ずしも十分な水準にあるとはいえず、可能な限り当社の株主の皆様の利益に配慮する観点から、当該提案価格で応諾するのではなくより高い買付価格を要請することが適切である旨の本特別委員会の意見等を踏まえ、2025年2月13日、公開買付者に対し、当該提案価格は、当社の足元の市場株価に対して一定のプレミアムを含むものであるものの依然として十分な水準に達しているとはいえず、当社の株主の皆様にとってより納得感のある価格条件が肝要であるとして、本公開買付価格の再検討を要請いたしました。その後、当社は、2025年2月18日、公開買付者より、本公開買付価格を780円(提案日の前営業日である2025年2月17日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値572円に対して36.36%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値555円に対して40.54%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値536円に対して45.52%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値535円に対して45.79%のプレミアムを加えた価格とのことです。)とする3回目の価格提案書を受領しました。これに対し、当社は、2025年2月21日、公開買付者に対し、当該提案価格は、当社の足元の市場株価に対して一定のプレミアムを含むものであるものの、近時の同種取引事例のプレミアム水準と比較して十分であるとはいえず、長期保有者を含めた少数株主の利益、及び当社にて作成したスタンドアローン(当社事業が単独で自律していることを前提にしてシナジー価値等のプレミアムを加算しない事業計画)を前提とした本事業計画を踏まえた当社株式の本源的価値が十分に考慮された水準とはいえないとの本特別委員会の意見等を踏まえ、本公開買付価格の再検討を要請いたしました。その後、当社は、2025年2月27日、公開買付者より、本公開買付価格を810円(提案日の前営業日である2025年2月26日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値583円に対して38.94%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値565円に対して43.36%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値541円に対して49.72%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値538円に対して50.56%のプレミアムを加えた価格とのことです。)とする4回目の価格提案書を受領しました。これに対し、当社は、2025年2月28日、公開買付者に対し、当該提案価格は本事業計画を踏まえた当社株式の本源的価値を一定程度考慮した水準であるものの、近似の同種取引事例のプレミアム水準と比較して必ずしも十分であるとはいえず、長期保有者を含めた当社の少数株主にとってより納得感のある価格を提案いただきたいとして、本公開買付価格の再検討を要請いたしました。その後、当社は、2025年3月4日、公開買付者より、本公開買付価格を830円(提案日の前営業日である2025年3月3日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値609円に対して36.29%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値576円に対して44.10%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値546円に対して52.01%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値538円に対して54.28%のプレミアムを加えた価格とのことです。)とする5回目の価格提案書を受領しました。これに対し、当社は、2025年3月5日、公開買付者に対し、当該提案価格は本事業計画を踏まえた当社株式の本源的価値を相当程度考慮した水準であるものの、近似の同種取引事例のプレミアム水準と比較して十分であると言えない面もあると認識しており、様々な意見を持つ当社の株主がいると想定されるとして、本公開買付価格の再検討を要請いたしました。その後、当社は、2025年3月6日、公開買付者より、当該公開買付価格は公開買付者として提案可能な最大限の価格であり、かつ、最終提案として、本公開買付価格を835円(提案日の前営業日である2025年3月5日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値607円に対して37.56%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値584円に対して42.98%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値549円に対して52.09%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値539円に対して54.92%のプレミアムを加えた価格とのことです。)とする6回目の価格提案書を受領しました。これに対し、当社は、2025年3月7日、公開買付者に対し、本公開買付価格に係る公開買付者との交渉の経緯等を踏まえれば、公開買付者からの当該提案を内諾することには合理性がある旨の本特別委員会による意見等を踏まえ、最終的な意思決定は2025年3月10日に開催される当社取締役会での決議によることを前提として、本公開買付価格を835円とすることに内諾する旨を連絡いたしました。
さらに、当社は、リーガル・アドバイザーであるR&G横浜法律事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について必要な法的助言を受けるとともに、本特別委員会から2025年3月7日付で答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けました(本答申書の概要については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。その上で、当社は、リーガル・アドバイザーであるR&G横浜法律事務所から受けた法的助言及び第三者算定機関であるみそうパートナーズから2025年3月7日付で取得した株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引により当社の企業価値の向上を図ることができるか、本公開買付価格を含む本取引の諸条件は妥当なものか等の観点から慎重に協議・検討を行いました。
その結果、当社は、以下の点等を踏まえると、本取引を通じて当社株式を非公開化することが当社の企業価値の向上に資するものであるとの判断に至りました。
すなわち、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社は、(ⅰ)エネルギー事業、(ⅱ)カービジネス事業、(ⅲ)ライフサポート事業及び(ⅳ)不動産関連事業の4部門で事業活動を展開しながら中長期ビジョンとして脱炭素社会への取組みと地域・観光MaaSの推進を通してエネルギーとモビリティに関して世の中に必要とされる企業を目指しております。
もっとも、当社を取り巻く事業環境については、当社としてもウクライナ・中東情勢の長期化や為替相場の円安によるエネルギー価格、原材料価格、配送コスト等の高騰等により、先行きの不透明な状況が続くと予想していることに加えて、世界的な脱炭素社会の実現に向けた電気・水素等の化石燃料を代替するエネルギーの普及、少子高齢化の進展による国内人口の減少や若者の嗜好の変化に伴う自動車離れの影響を受けて自動車関連産業の需要は減少傾向にあり、中長期的にも厳しい事業環境が継続することを予想しております。このような当社を取り巻く事業環境のもとでは、当社が今後も更なる成長を達成するためには、従来のエネルギー事業、カービジネス事業等にとどまらず、新たなビジネスモデルの構築を目指し、中長期的な視点で経営戦略を立案し、それに基づく抜本的な改革施策を機動的に実践することが必要不可欠であると認識しております。
このような中で、当社は、公開買付者から、本取引の協議・交渉の過程において、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、(ⅰ)モビリティサービス企業への変革に向けた積極的な開発投資、(ⅱ)脱炭素社会における優位性を確保すべく総合エネルギー供給拠点の強化、(ⅲ)更なる企業の成長に向けた事業ポートフォリオの再構築といった具体的な施策を企図している旨の説明を受け、これを慎重に検討した結果、当社としても、これらの施策は、厳しい事業環境に適切に対応していくために当社として積極的に推進していくべきものであり、ひいては当社の中長期的な企業価値の向上に資するものであると考えております。
この点、上記の各施策は、中長期的に見れば当社の企業価値向上が期待されるものの即時に当社の業績に貢献できるものではなく、その実現に向けて相当の期間を要することが想定されるほか、当社の限られた人的資源を新たな事業分野に投入することはもちろん、既存事業に関しても抜本的な改革等には各種の先行投資が発生することから、一時的に利益及びキャッシュ・フローが悪化する可能性は否定できず、短期的には当社の業績や財務状況に悪影響を与えるリスクがあり、資本市場から十分な評価が得られず、当社の株主の皆様に対して、当社株式の市場株価の下落といった不利益を与えるおそれが懸念され、当社株式の上場を維持したまま各施策を実施することは難しいと考えております。一方で、本取引により当社株式を非公開化することで、長期的な視点で公開買付者からの提案にあるような各施策の実行に取り組むことが可能となると考えており、本取引の実行は当社の企業価値向上の観点からもメリットがあると考えております。
また、当社は東京証券取引所スタンダード市場の上場維持基準の一つとして流通株式時価総額10億円以上を継続的に維持することが求められている中、2024年4月30日時点における流通株式時価総額が9.6億円であり、当該基準への不適合により上場廃止に至るおそれがあると認識していること、近年の資本市場に対する規制強化により金融商品取引法や東京証券取引所規則等の各種適用法令に基づく継続的な情報開示に要する費用や監査費用等の上場維持コストが増加しており、株式の上場を維持することが当社の経営上の負担となっていることは否定できない一方で、金融機関より当座貸越枠等を確保し、効率的な運転資金の調達を行ってきた当社の実績を踏まえると、当社の事業活動に必要な資金は自己資金及び金融機関からの借入によって確保することが可能であると考えており、かつ、近時の低金利環境においては間接金融が調達手段として優れていると考えられることから、エクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は当面見込まれず、取引先を含む外部からの一定の信用力やネームバリューは既に確立されていると考えていること等から、当社としても上場維持のメリットは相対的に減少していると認識しております。
そのため、本取引を行うことによって、当社の株主の皆様に合理的な価格での投下資本回収の機会を提供することで、当社の株主の皆様が上場維持基準への不適合に伴う上場廃止による不利益を被ることを回避しつつ当社株式の売却機会を提供することが、当社の少数株主の皆様にとっても合理的な選択であると判断するに至りました。
以上を踏まえ、当社としても、当社の株主の皆様に対して発生する可能性がある上記の不利益を回避しつつ、中長期的な視点から当社の企業価値を向上させるためには、マネジメント・バイアウト(MBO)の手法により当社株式を非公開化し、短期的な株式市場からの評価にとらわれずに各施策に迅速かつ果敢に取り組むことができる経営体制を構築することが必要であると考えております。そして、上記の各施策を効率的に実施するためには、当社の事業内容及び事業環境を熟知している当社の代表取締役社長である北野俊氏及びその配偶者である北野淳子氏、北野航氏及び北野隼氏の4名が株主である公開買付者によって当社株式を非公開化し、今後も北野俊氏が当社の経営と支配の双方を実質的に担うことには合理性があり、また、上記各施策は当社中期経営計画をベースにしたものであることからこれまでの経営との継続性、一体性が重要であり、この時機に経営体制を変更することは当社にとってデメリットとなると考えられることから引き続き現経営陣によって各施策に取り組んでいくことにも合理性があると判断いたしました。
なお、当社としましても、上記のとおり、当社はエネルギー事業、カービジネス事業、ライフサポート事業及び不動産事業を営む上で各々の事業で相応の事業基盤を確保し、多角的な経営を行っていますので、当社のこの特色を最大限に活かし、抜本的かつ機動的な経営戦略を迅速に実践していくためには特定の事業会社との資本提携はかえって弊害となる可能性が否定できないと考えており、他の事業会社と資本提携を行うことは検討しておりません。
また、当社株式の非公開化により、当社株式の上場を維持するために必要な費用(有価証券報告書等の継続的な情報開示に要する費用、監査費用、株主総会の運営や株主名簿管理人への事務委託に要する費用等)を削減することができ、かつ、上場会社として必要となる管理部門の維持のための費用その他のコスト等、当社株式の上場を維持することによるその他の経営負担も軽減され、より一層、事業成長への経営資源の集中を図ることも可能になると考えております。なお、上場廃止に伴うデメリットとしては、資本市場から資金調達を行うことができなくなることのほか、知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを享受できなくなることが一般的に挙げられますが、当社としては、金融機関との間で長期的な取引により良好な関係を築けており、また、当社における設備投資等の資金需要を満たすために必要な資金について、間接金融を通じて資金調達を行うことが可能であると想定されるため、上記のとおりエクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は当面想定していないこと、また、長年にわたる実績や取引先との関係を通じて当社の知名度や社会的信用力は既に確立できていると考えていることから、当社株式の上場廃止による特段のデメリットは想定しておりません。
さらに、当社は、以下の点等を踏まえると、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
(a)本公開買付価格が、下記「(3) 算定に関する事項」に記載されているみそうパートナーズによる当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果のレンジの上限値を上回る価格であり、また、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づく算定結果のレンジの範囲内であり、かつ、割引率の中央値を用いた算定結果を上回る価格であることが認められ、合理的な水準にあると評価できる。
(b)本公開買付価格が、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年3月7日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値615円に対して35.77%、2025年3月7日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値587円に対して42.25%、直近3ヶ月間の終値単純平均値551円に対して51.54%、直近6ヶ月間の終値単純平均値540円に対して54.63%のプレミアムがそれぞれ加えられた価格であり、他社の類似取引事例におけるプレミアム割合の中央値(注8)と比較すると、公表日の前営業日の終値及び公表日の前営業日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム水準においては、直近の株価上昇の一時的影響により下回るものの、具体的な上昇要因について当社では把握しておらず、直近の株価動向は必ずしも当社の企業価値を適切に反映したものではないと判断しているため、直近の株価との関係で他社の類似取引事例におけるプレミアムを下回ったことをもって不合理であると評価しておらず、他方で、 直近3ヶ月間の終値単純平均値及び直近6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム水準において上回ることに鑑みると、本公開買付価格に付されたプレミアムは、他社の類似取引事例との比較において同等の水準であると認めることに不合理な点はないことから、相応のプレミアムが付されていると評価できる。
(注8) 経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降、2025年1月31日までの間に公表され成立した非公開化を目的としたマネジメント・バイアウト(MBO)事例71件における、公表日前営業日の終値、並びに直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値は、順に42.53%、45.52%、46.08%、49.41%です。
(c)下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の利益相反を回避するための措置が採られていること等、当社の少数株主の利益への配慮がなされていると認められる。
(d)本公開買付価格は、上記利益相反を回避するための措置が採られた上で、当社と公開買付者との間で真摯かつ継続的に協議・交渉が行われた上で決定された価格である。
(e)本特別委員会が、当社から適時に交渉状況の報告を受け、当社の交渉方針に関して意見、指示、要請等を行うこと等により、取引条件に係る交渉過程に実質的に関与した上で、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本答申書において、本公開買付価格を含む本取引の条件は妥当なものであると考えられる旨の意見が示されている。
また、本公開買付価格は、当社の2025年1月31日現在の簿価純資産である3,567,673千円(百の位を四捨五入しております。)を、自己株式控除後の発行済株式総数(3,229,835株)で割ることにより算出した1株当たり純資産額である1,105円(本公開買付価格は当該金額との比較で24.43%のディスカウント)を下回っているものの、仮に当社が清算する場合においても簿価純資産額が即時にそのまま換価されるわけではないこと、当社のサービスステーション閉鎖に伴いガソリンスタンドにおける地下タンク等を撤去して原状に回復するためには相当な費用等が必要になると見込まれること、企業の清算に伴い従業員に対する割増退職金及び弁護士費用等の相当程度の追加コストの発生も見込まれること等に鑑みると、当社の清算価値は、現実的には簿価純資産額から相当程度に毀損された金額となることが想定されます。なお、当社においては、清算を予定しているわけではないため、清算を前提とする見積書の取得までは行っておらず、本公開買付価格が、具体的な検討を経て概算された想定清算コスト等を勘案して算出される想定の清算価値を上回っていることの確認までは行っておりません。また、純資産額は、当社の清算価値を示すものであり、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値の算定において重視することは合理的ではないと考えております。
以上より、当社は、2025年3月10日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。
上記取締役会における決議の方法につきましては、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認」をご参照ください。
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するために、公開買付者、本不応募合意株主及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみそうパートナーズに対し、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年3月7日付で本株式価値算定書を取得いたしました。
みそうパートナーズは、公開買付者、本不応募合意株主及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。なお、本取引に係るみそうパートナーズの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。また、本特別委員会は、2024年12月19日開催の第1回の会議において、みそうパートナーズの独立性に特段の問題がないことを確認した上で、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任することを承認しております。
みそうパートナーズは、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社が継続企業であるとの前提のもと、当社株式について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場していることから市場株価法を、また、当社の将来の事業活動の状況を算定に反映させるためにDCF法をそれぞれ算定方法として採用し、当社株式の株式価値の算定を行いました。一方で、複数事業を営む当社との収益性や財務状況の類似性における制約に鑑み比較可能な上場類似会社が存在しないことから類似会社比較法は採用しておらず、また、当社が継続企業としてその事業を継続していくことを企図していることから純資産法は採用しておりません。なお、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、公開買付者及び当社において、本公開買付けの公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施しており、当社の少数株主の利益に配慮がなされていると考えていることから、みそうパートナーズから本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
みそうパートナーズによれば、上記の各手法に基づいて算定された当社株式1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法 :540円から615円
DCF法 :642円から940円
市場株価法では、本公開買付けに対する意見表明に係る当社取締役会決議日の前営業日である2025年3月7日を算定基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日終値615円、直近1ヶ月間の終値単純平均値587円、直近3ヶ月間の終値単純平均値551円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値540円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を540円から615円までと算定しております。
DCF法では、本事業計画における財務予測、当社の2025年4月期第3四半期における財務情報、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2025年4月期第4四半期以降に生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を642円から940円までと算定しております。割引率は加重平均資本コストとし、3.80%~4.08%を採用しております。また、継続価値の算定にあたっては、永久成長率法を採用し、永久成長率を0.40%~0.60%としております。
みそうパートナーズがDCF法の算定の前提とした当社作成の本事業計画に基づく財務予測は以下のとおりです。当該財務予測には、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれていないものの、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には2026年4月期において、サービスステーション店舗数の拡大による一過性の設備投資の発生に伴いフリー・キャッシュ・フローの減少を見込んでおり、2027年4月期は前期に発生した一過性の設備投資が発生しないことに伴いフリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでおります。なお、2025年4月期(3ヶ月間)の財務予測は、2025年4月期の通期売上計画17,650百万円、通期営業利益計画328百万円から2025年4月期第3四半期の累計実績を控除して算出しております。2025年4月期(3ヶ月間)の財務予測は、2025年1月の当社の足元の業績状況等を踏まえて残り3ヶ月間の業績見込みを積み上げたものですが、当社が2024年6月17日に公表した「2024年4月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」における2025年4月期の業績予想値との乖離は軽微基準の範囲内であるため、2025年4月期に関する業績予想の修正は行いません。その結果、当社第3四半期決算短信に記載の2025年4月期の通期業績予想(売上高19,500百万円、営業利益350百万円)と差異が生じております。これは、2025年4月期に計画していたサービスステーションの店舗数の拡大が2026年4月期にずれ込む見通しとなったため、当該店舗数の拡大の影響を2026年4月期に反映していることが要因となります。
また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることは困難であるため、当該財務予測には加味されておりません。
みそうパートナーズは、当社の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報が、全て正確かつ完全なものであること、また本公開買付価格の分析・算定に重大な影響を与える可能性がある事実でみそうパートナーズに対して未開示の事実はないこと等を前提としてこれに依拠しており、独自にそれらの正確性の検証を行っておりません。加えて、当社の財務予測に関する情報については、当社の経営陣による現時点での得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成され、当社の経営陣がその内容を精査した上でみそうパートナーズによる価値算定において使用することを了承したことを前提としております。また、当社グループの資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。みそうパートナーズの算定は、2025年3月7日までの上記情報を反映したものです。
また、本特別委員会は、本事業計画が、公開買付者から独立した者(下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、公開買付者の株主若しくは役職員を兼務する者又はこれらの者と親族関係にある者を関与させないこととしております。)により作成されていることについて確認するとともに、その作成過程においても、作成中の本事業計画案の内容、重要な前提条件等について説明を受け、最終的な本事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について確認の上、承認しております。
公開買付者は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにおいて当社株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式、本不応募合意株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法により、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。
具体的には、公開買付者は、本公開買付けの成立後、2025年7月開催予定の2025年4月期に係る当社の定時株主総会(以下「本定時株主総会」といいます。)において、会社法第180条に基づき当社株式の併合(以下「株式併合」といいます。)を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを当社に要請する予定とのことです。なお、公開買付者及び本不応募合意株主は、本定時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。
本定時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生じる日において、当社の株主の皆様は、本定時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなるとのことです。株式併合をすることにより、株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、当該端数が生じた当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになるとのことです。なお、当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者、本不応募合意株主及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に要請する予定とのことです。また、株式併合の割合は、本日現在において未定とのことですが、公開買付者は、当社に対し、公開買付者及び本不応募合意株主のみが当社株式の全て(当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主(公開買付者、本不応募合意株主及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう要請する予定とのことです。当社は、本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。
なお、下記「(7) 公開買付者と当社の株主・取締役等との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」に記載のとおり、株式併合の効力発生日において、公開買付者及び本不応募合意株主以外に、公開買付者及び本不応募合意株主がそれぞれ所有する当社株式のうち最も少ない数以上の当社株式を所有する当社の株主が存在することを可及的に避け、本スクイーズアウト手続の安定性を高めるため、本不応募合意株主は、公開買付者の要請があった場合には、株式併合の効力発生前を効力発生時として、本不応募合意株式を公開買付者に対して無償で貸し付ける(以下「本株式貸借」といいます。)可能性があるとのことです。また、本株式貸借が実行された場合には、株式併合の完了後、かつ、裁判所の任意売却許可決定に基づき端数相当株式が当社又は公開買付者に売却された後、本株式貸借を解消し、本不応募合意株主に対して、本株式貸借の対象である当社株式と同等の当社株式を返還すること、及びかかる当社株式の返還を実行するため、当該返還に先立って、公開買付者と本不応募合意株主が共同して、当社をして当社株式の分割を行わせる予定であるとのことです。なお、仮に本株式貸借の貸株料を有償とする場合でも、公開買付者と本不応募合意株主は、貸株料等の条件を定める本株式貸借に係る契約を締結する日以前1年以上継続して法第27条の2第7項第1号に定める形式的特別関係者に該当することから、本株式貸借は法第27条の2第1項但書に定める「適用除外買付け等」に該当することになるとのことです。
株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした規定として、株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、当社の株主は、当社に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が会社法上定められております。これらの申立てがなされた場合における、当社株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。なお、本公開買付けは、本定時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。
上記の手続については、関係法令の改正、施行、当局の解釈等の状況によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があります。但し、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった当社の各株主の皆様(公開買付者、本不応募合意株主及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。
以上の場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者と当社が協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様が自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
当社株式は、本日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場されておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。
また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、公開買付者は、本公開買付けの成立後、上記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しておりますので、その場合、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所スタンダード市場において取引することはできません。
公開買付者及び当社は、本公開買付けを含む本取引がいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われるものであり、構造的な利益相反の問題が存在すること等を踏まえ、本公開買付価格の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、以下の措置を実施いたしました。なお、公開買付者は、本公開買付けにおいて、いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する当社の少数株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいてマジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定していないとのことですが、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置として、以下の①乃至⑥の措置を実施していることから、当社の少数株主の皆様の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。また、本特別委員会は、本答申書において、他の公正性担保措置の実施状況に照らせば、本取引に係る交渉過程及び意思決定に至る手続の公正性は確保されていると評価できること等に鑑みると、マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)に係る条件が設定されていないことのみをもって、本取引の条件の公正性が否定されるものではないと考えられる旨判断しており、当社としても同様に判断しております。
なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するために、公開買付者、本不応募合意株主及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみそうパートナーズに対し、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年3月7日付で本株式価値算定書を取得いたしました。 なお、当社及びみそうパートナーズとの関係並びに算定の概要については、上記「(3) 算定に関する事項」をご参照ください。
当社は、本公開買付けを含む本取引に係る当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するため、公開買付者、本不応募合意株主及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとしてR&G横浜法律事務所を選任し、本公開買付けを含む本取引に関する当社取締役会の意思決定の過程、方法その他の本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けております。
R&G横浜法律事務所は、公開買付者、本不応募合意株主及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。なお、本取引に係るR&G横浜法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。また、本特別委員会は、2024年12月19日開催の第1回の会議において、R&G横浜法律事務所の独立性に問題がないこと等を確認した上で、当社のリーガル・アドバイザーとして選任することを承認しております。
当社は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2024年12月12日付で公開買付者から本取引の検討を開始したい旨の申入れを受け、本取引がいわゆるマネジメント・バイアウト(MBО)の一環として行われるものであり、当社における本取引の検討において構造的な利益相反状態が生じ得ること等に鑑み、当社の意思決定に慎重を期し、また、当社取締役会の意思決定過程における恣意性を排除し、公正性、透明性及び客観性を担保するために、2024年12月12日開催の当社取締役会決議により、公開買付者、本不応募合意株主及び当社から独立した、当社の独立社外取締役であり弁護士として法律に関する高い見識を有する高橋理一郎氏、同じく当社の独立社外取締役であり自動車業界での長年にわたる経験、企業経営及び営業戦略における高い知見を有する藤田和由氏、同じく当社の独立社外取締役であり警察官としての長年の経験に裏付けられた高い倫理観と社会性を有する小嶋郁夫氏及び同じく当社の独立社外取締役であり金融機関における長年の経験と財務等に関する豊富な知見を有する北村俊和氏の4名によって構成される本特別委員会を設置しました。当社は、当初から上記4名を本特別委員会の委員として選定しており、本特別委員会の委員を変更した事実はありません。また、本特別委員会の委員の互選により、北村俊和氏が本特別委員会の委員長に就任しております。なお、本特別委員会の委員の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。
そして、当社は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対し、本諮問事項、すなわち(ⅰ)本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値の向上に資するか否かを含みます。)、(ⅱ)本取引の条件の妥当性(本取引の実施方法や対価の種類の妥当性を含みます。)、(ⅲ)本取引の手続の公正性(いかなる公正性担保措置をどの程度講じるべきかの検討を含みます。)(ⅳ)上記を踏まえ本取引(当社取締役会が本公開買付けに対して賛同の意見表明を行うこと及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを含みます。)の決定が当社の少数株主にとって不利益なものではないかについて諮問し、これらの点についての答申書を当社取締役会に提出することを委嘱しました。
また、当社は、上記取締役会決議において、本公開買付けに対する意見表明の内容を審議する当社取締役会においては、本特別委員会の設置の趣旨に鑑み、本諮問事項に対する本特別委員会の答申内容を最大限尊重するものとし、本特別委員会が取引条件を妥当でないと判断した場合には、当社取締役会は、本公開買付けに賛同しないこととする旨を決議しております。併せて、当社は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対して、(a)本特別委員会が自ら公開買付者と交渉を行うことができる権限のほか、公開買付者との交渉を当社の社内者やアドバイザー等が行う場合でも、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、取引条件に関する交渉過程に実質的に影響を与えることができる権限、(b)必要に応じて本特別委員会独自の外部アドバイザー等を選任する権限(この場合の費用は当社が負担するものとしております。)のほか、当社が選任する外部アドバイザー等について指名又は承認(事後承認を含む。)する権限、さらに(c)答申を行うにあたって必要となる一切の情報の収集を当社の役員及び従業員並びに外部アドバイザー等に対して求めることができる権限をそれぞれ付与しております。上記(b)の権限付与を受けて、本特別委員会は、2024年12月19日に開催された第1回の会議において、当社が選任する外部アドバイザー等について、いずれも独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認した上で、リーガル・アドバイザーとしてR&G横浜法律事務所を、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてみそうパートナーズを、それぞれ選任することを承認いたしました。
本特別委員会は、2024年12月19日から2025年3月7日までに、会議を合計12回開催したほか、会議外においても電子メール等を通じて、情報交換や情報収集、意見表明等を行い、必要に応じて随時協議を行う等して、本諮問事項に関し、慎重に検討を行いました。具体的には、本特別委員会は、当社から、当社の事業内容・業績推移、主要な経営課題、本取引により当社の事業に対して想定されるメリット・デメリット、本取引の条件の検討の際に基礎とされる当社の本事業計画の内容及び策定手続等について説明を受け、質疑応答を行いました。また、公開買付者から、本取引を提案するに至った検討過程、本取引後に想定している施策の内容、本取引によって見込まれるメリット・デメリットその他の影響の内容及び程度、並びに本取引後に予定している当社の経営方針等について具体的な説明を受け、質疑応答を行いました。さらに、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみそうパートナーズから、当社株式の株式価値の算定に関する説明を受け、その算定過程に関して質疑応答を行った上で、当該算定結果の合理性について検討いたしました。以上の検討に際して、本特別委員会は、当社のリーガル・アドバイザーであるR&G横浜法律事務所から、特別委員会の意義・役割等を含む本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置の内容について適宜助言を受けております。
そして、本特別委員会は、当社から、当社と公開買付者との間における本取引に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、当社に対して計5回にわたり、公開買付者に対して本公開買付価格の増額を要請すべき旨を意見し、当社が当該意見に従って公開買付者と交渉を行ったことにより、公開買付者との交渉過程に実質的に関与しております。
本特別委員会は、以上の経緯のもと、本諮問事項について慎重に審議及び検討を重ねた結果、2025年3月7日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で大要以下の内容の本答申書を提出いたしました。
(ⅰ)当社が置かれている事業環境、業績等の推移及び経営課題に照らし、本取引により当社株式を非公開化することは当社の企業価値の向上に資するという判断には合理性が認められるので、本取引の目的に合理性が認められると判断する。
(ⅱ)本公開買付価格を含む本取引の条件には妥当性が認められる。
(ⅲ)本公開買付けにおいては、公正な手続を通じて当社の少数株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。
(ⅳ)諮問事項(ⅰ)乃至(ⅲ)について問題があるとは考えられないことから、本取引(当社取締役会が本公開買付けに対して賛同の意見表明を行うこと及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを含む。)の決定が当社の少数株主にとって不利益なものでないと判断する。
(ⅰ)本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値の向上に資するか否かを含む。)
以下の点等を総合的に考慮すると、本取引は当社の企業価値の向上に資するものといえ、その目的に合理性が認められると考える。
・当社によれば、当社グループを取り巻く石油製品販売業界における経営環境は、ウクライナ・中東情勢の長期化や為替相場の円安によるエネルギー価格、原材料価格、配送コスト等の高騰等により、先行きの不透明な状況が続くと予想しているとのことである。加えて、世界的な脱炭素社会の実現に向けた電気・水素等の化石燃料を代替するエネルギーの普及、少子高齢化の進展による国内人口の減少や若者の嗜好の変化に伴う自動車離れの影響を受けて自動車関連産業の需要は減少傾向にあり、中長期的にも厳しい事業環境が継続することを予想しているとのことである。さらに、当社グループは、2022年5月に当社中期経営計画を開始しているが、同計画に基づく成長を達成できていない状況にあるということである。これらの内容について、当社及び公開買付者に対するインタビューやその他の一般的な公開情報を踏まえると、特段不合理な点は認められない。
・公開買付者によれば、本取引後、当社において、①モビリティサービス企業への変革に向けた積極的な開発投資、②脱炭素社会における優位性を確保するべく総合エネルギー供給拠点の強化、③更なる企業の成長に向けた事業ポートフォリオの再構築といった具体的な施策を企図しているとのことであり、これらの各施策について、当社及び公開買付者に対するインタビュー等を踏まえて検討した結果、その説明内容に特段不合理な点は認められず、これらの施策が上記の経営課題の解決に資するものといえるため、当社グループの中長期的な企業価値の向上のために積極的に推進していくべき施策であるとの判断には合理性があると思料する。
・公開買付者によれば、かかる各施策を実施するためにはいずれも一定の初期投資や継続的な投資を要することとなり、短期的には当社の利益及びキャッシュ・フローの悪化が懸念される反面、期待する収益を十分生み出すまでに時間を要すると見込まれ、また、当社が上場企業である以上、投資家や株主から当社に対して短期的な業績に対するコミットメントが求められているところ、上記の各施策を実行する過程で中長期的な成長を優先する意思決定を行った場合には、資本市場から十分な評価が得られず、当社株式の株価が下落し、当社の少数株主に対して不利益を与える可能性もあるため、当社株式の上場を維持したままこれらの施策を実施することは困難であると考えたとのことである。
・公開買付者によれば、当社が東京証券取引所スタンダード市場の上場維持基準の一つとして流通株式時価総額10億円以上を継続的に維持することが求められている中、2024年4月30日時点における流通株式時価総額が9.6億円であり、当該基準への不適合により上場廃止に至るおそれがあると認識しているとのことである。また、近年は金融商品取引法上の有価証券報告書やコーポレート・ガバナンスに関する報告書等を通じたステークホルダーに対する追加的かつ継続的な情報開示のための対応事項が増加傾向にあり、上場企業として株式上場を維持するために必要な費用(有価証券報告書等の継続的な情報開示に要する費用、監査費用、株主総会の運営や株主名簿管理人への事務委託に要する費用等)その他の人的・経済的コストの負担も増加傾向にあること、及びこれらのコストが当社の経営推進上の大きな負担となる可能性も否定できないことから、当社株式の上場を維持することの意義を見出しにくい状況にあると考えているとのことである。
・他方で、公開買付者によれば、エクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は当面見込まれず、一定の信用力やネームバリューは既に確立されていると考えていることから、上場維持のメリットは相対的に減少していると認識しているとのことであり、本取引を行うことによって当社の株主に合理的な価格での投下資本回収の機会を提供することで、当社の株主が上場維持基準への不適合に伴う上場廃止による不利益を被ることを回避しつつ、当社株式の売却機会を提供することが、当社の少数株主にとっても合理的な選択であるとの判断に至ったとのことである。
・当社によれば、当社としても、当社の株主に発生する可能性がある上記の不利益を回避しつつ、中長期的な視点から当社の企業価値を向上させるためには、当社株式を非公開化し、所有と経営を一致させた上で、短期的な株式市場からの評価にとらわれずに各施策に迅速かつ果敢に取り組むことができる経営体制を構築することが必要であると考えているとのことであり、このような当社の認識は概ね公開買付者の上記認識とも一致しており、その説明内容についても特段不合理な点は認められない。
・その上で、非公開化の手法としてMBOが採用されている点については、上記の各施策を効率的に実施するために、当社の事業内容及び事業環境を熟知している当社の代表取締役社長である北野俊氏が株主であり、かつ、その妻である北野淳子氏が代表取締役を務める公開買付者によって当社株式を非公開化し、北野俊氏が当社の経営と支配の双方を実質的に担うことには一定の合理性が認められると思料する。
・本取引により当社株式が上場廃止となることに伴い想定され得るデメリットについて、当社及び公開買付者に対するインタビュー等を通じて検討した結果、当社の取引先に対する影響、今後の資金調達への影響、コンプライアンス体制への影響、既存従業員への影響、今後の人材採用への影響等、いずれにおいても影響は限定的であり、本取引によって期待されるメリットを上回るデメリットが生じる具体的な可能性は特段認められない。
(ⅱ)本取引の条件の妥当性(本取引の実施方法や対価の種類の妥当性を含む。)
以下の点等を総合的に考慮すると、本公開買付価格を含む本取引の条件には妥当性が確保されていると考えられる。
・本公開買付価格は、類似事案と比較して十分な水準のプレミアムが付されていることに加えて、みそうパートナーズによる算定結果のうち市場株価法の算定結果のレンジの上限値を上回る価格であり、また、DCF法の算定結果のレンジの範囲内であり、かつ、割引率の中央値を用いた算定結果を上回る価格であることが認められ、合理的な水準にあると評価できる。この点、みそうパートナーズから受けた当該算定結果に係る説明を踏まえると、算定手法の選択や各算定手法による具体的な算定過程(採用した割引率や継続価値の算定方法等)について、株式価値の評価実務に照らして一般的、合理的な手法であると考えられる。なお、DCF法の算定の基礎とされた本事業計画については、当社によれば、本取引を前提として策定されたものではなく、また、具体的な計画数値の設定過程において公開買付者及び本不応募合意株主による関与はないとのことであり、本事業計画の策定過程において公開買付者側からの不当な関与は認められず、その他当社の独立性に疑念を生じさせる事情は特段見当たらない。その上で、本特別委員会が最終的な本事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について確認している。
・当社は、公開買付者の初回提案に対して、第三者算定機関であるみそうパートナーズによる当社株式の株式価値の試算結果や近年のスクイーズアウトを前提とした公開買付け事例におけるプレミアム割合等を参考に、公開買付者の影響を排除した公正な手続によって本公開買付価格の検討を重ね、本特別委員会の実質的関与のもと、みそうパートナーズを通じて複数回にわたり公開買付者との交渉を行った結果、本公開買付価格を835円とすることについて内諾するに至った経緯も総合すると、本公開買付価格は合理的な水準にあると評価できる。
・本特別委員会は、上記の通り、市場株価法及び当社が継続企業であるとの前提の下、当社の将来の収益性の状況(本源的価値)を算定に反映させるDCF法による算定結果を軸に公開買付価格の妥当性を検討することが適切であると考えているが、本公開買付価格は、当社の2025年1月31日現在の簿価純資産である3,567,673千円(百の位を四捨五入)を、自己株式控除後の発行済株式総数(3,229,835株)で割ることにより算出した1株当たり純資産額である1,105円(本公開買付価格は当該金額との比較で24.43%のディスカウント)を下回っているため補足的に検討すると、仮に当社が清算する場合において簿価純資産額が即時にそのまま換価されるわけではないこと、当社のサービスステーション閉鎖に伴いガソリンスタンドにおける地下タンク等を撤去して原状に回復するためには相当な費用等が必要になると見込まれること、企業の清算に伴い従業員に対する割増退職金及び弁護士費用等の相当程度の追加コストの発生も見込まれること等に鑑みると、当社の清算価値は、現実的には簿価純資産額から相当程度に毀損された金額となることが想定されるので、1株当たり簿価純資産額を株主が本来享受可能である合理的な最低限の価格であると推定することは現実的ではなく、本公開買付価格が上記1,105円を下回っていることをもって本公開買付価格の妥当性を否定する理由にはならない。
・本公開買付けにおいては、いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)に相当する買付予定数の下限の設定は予定されていないが、経済産業省作成の2019年6月28日付「公正なM&Aの在り方に関する指針」においても、既に買収者の保有する買収対象会社の株式の割合が高い場合等においては、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定することにより、企業価値の向上に資するM&Aの成立を阻害してしまうおそれ等があるとの懸念もあり、常にかかる条件を設定することが望ましいとまでいうことは困難であるとされている。この点、本特別委員会としては、公開買付者は、当社株主3名との間で、所有割合にして合計17.40%となる当社株式について、各株主が本公開買付けに応募しない旨を合意するとのことであり、このような状況でマジョリティ・オブ・マイノリティ条件に相当する買付予定数の下限を設定した場合には、上記の懸念が相当程度当てはまると考えられること(かえって本公開買付けに応募した少数株主の利益を害する可能性があること)、他の公正性担保措置の実施状況にも照らせば本取引に係る交渉過程及び意思決定に至る手続の公正性は確保されていると評価できること等を総合的に考慮すると、本公開買付けにおいて、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定されていなくとも、本取引の条件の公正性が否定されるものではないと思料する。
・本スクイーズアウト手続としては株式併合が予定されているところ、かかる株式併合が行われる場合には、法令上、本公開買付けに応募しなかった株主に対して株式買取請求権又は価格決定請求権が確保されている。また、公開買付者によれば、本スクイーズアウト手続は、本公開買付けの決済の完了後速やかに進めていく予定とのことであり、本公開買付けに応募しなかった株主の地位が長期にわたって不安定なものとならないための配慮がうかがわれる。そして、これらの内容が公開買付届出書及び当社のプレスリリースにおいて開示される予定であることからすれば、株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保しているといえる。さらに、株式併合の結果生じた端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった当社の株主に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう設定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことが予定されているとのことである。以上のとおり、本公開買付けを含む本取引においては、いわゆる強圧性の問題に対応すべく、本公開買付けに応募しなかった少数株主の利益に配慮がなされているといえ、当該スクイーズアウト手続に係る条件には一定の合理性があると考えられる。
・本取引の対価は金銭であり、流動性が高く投資回収の方法として妥当な金銭とすることが少数株主の不利益となる理由はない。
(ⅲ)本取引の手続の公正性(いかなる公正性担保措置をどの程度講じるべきかの検討を含む。)
以下の点等を総合的に考慮すると、本取引に係る交渉過程及び意思決定に至る手続には公正性が確保されていると考えられる。
・当社は、本取引の検討に当たり、当社の意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、公正性担保措置の一環として本特別委員会を設置している。本特別委員会は、本公開買付価格の具体的な交渉に入るより以前に設置されており、本特別委員会の設置時期につき不合理な点は認められない。また、2024年12月12日に開催された当社取締役会において本特別委員会の委員の候補となる当社の社外取締役について、公開買付者、本不応募合意株主及び当社からの独立性を有することに加えて委員としての適格性を有することを確認した上で本特別委員会を設置することが決議されている。当社取締役会は、本特別委員会の設置を決議するに際し、本特別委員会に対し、①本特別委員会が自ら公開買付者と交渉を行うことができる権限のほか、公開買付者との交渉を当社の社内者やアドバイザー等が行う場合でも、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、取引条件に関する交渉過程に実質的に影響を与えることができる権限、②必要に応じて本特別委員会独自の外部アドバイザー等を選任する権限(この場合の費用は当社が負担するものとされている。)のほか、当社が選任する外部アドバイザー等について指名又は承認(事後承認を含む。)する権限、③答申を行うにあたって必要となる一切の情報の収集を当社の役員及び従業員並びに外部アドバイザー等に対して求めることができる権限をそれぞれ付与している。これを受けて、本特別委員会は、当社が選任したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関、並びにリーガル・アドバイザーにつき、いずれも独立性に問題がないことを確認の上、それぞれを当社のアドバイザー等として承認した。さらに、当社取締役会は、本特別委員会の設置を決議するに際し、本公開買付けに対する意見表明の内容を審議する取締役会においては、本特別委員会の答申内容を最大限尊重するものとし、本特別委員会が取引条件を妥当でないと判断した場合には、本公開買付けに賛同しないこととする旨を決議しており、特別委員会の判断内容の実効性の確保に配慮がなされている。以上のとおり、特別委員会としての実効性を高めるための実務上の措置が採られた上で、本特別委員会は、企業価値の向上及び少数株主の利益を図る立場から、本取引の是非や取引条件の妥当性、手続の公正性について検討・判断を行った。
・当社は、本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するために、独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみそうパートナーズから本株式価値算定書を取得しているほか、独立したリーガル・アドバイザーであるR&G横浜法律事務所から本取引に関する当社取締役会の意思決定の過程、方法その他の本取引に関する意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けている。なお、当社は、みそうパートナーズから、いわゆるフェアネス・オピニオンまでは取得していないが、我が国においてはフェアネス・オピニオンの公正性担保措置としての有効性は事案により一様ではないと解されているところ、本取引の検討過程に照らした結果、本取引の是非を検討するためにフェアネス・オピニオンの取得が必須であると考えるべき事情までは認められず、これを取得しなくとも本取引に係る交渉過程及び意思決定過程に至る手続の公正性が否定されるものではないと思料する。
・当社は、2024年12月12日付で公開買付者から本意向表明書を受領して以降、利益相反の疑義を回避する観点から、当社と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉及び当社内部における検討過程において、公開買付者の株主若しくは役職員を兼務する者又はこれらの者と親族関係にある者を関与させないこととし、これらの者に該当しない取締役1名(久米健夫氏)、総務部長及び経理部長の合計3名からなる社内検討体制を構築した。本特別委員会としては当社における本取引の検討体制に独立性及び公正性の観点から問題がないことを確認した。
・本特別委員会は、公開買付者との本公開買付価格に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、交渉の方針等について協議を行い、当社に意見する等して、その交渉過程に実質的に関与しており、かかる交渉過程に関して、当社の少数株主の利益に配慮すべき観点から特段不合理な点は見当たらない。
・当社の取締役7名のうち、代表取締役社長である北野俊氏は、公開買付者との間でその所有する当社株式122,200株について本公開買付けに応募しない旨の合意をするとのことであり、本公開買付け終了後も継続して当社の経営にあたることを予定している。この点、当社においては、利益相反の疑義を回避する観点から、北野俊氏は、当社取締役会における本公開買付けへの意見表明に係る議案に関する審議及び決議には参加しないとされているほか、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切関与していないとのことである。以上のほか、本取引に係る協議、検討及び交渉の過程において、公開買付者からの独立性に疑義がある者が当社の意思決定に不当な影響を与えたことを推認させる事実は認められない。
・公開買付者は、公開買付期間を、法定最短期間の20営業日より長期の30営業日に設定することにより、当社の株主に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保しつつ、公開買付者以外にも当社株式の買付け等を行う機会を確保し、もって本公開買付価格の公正性を担保することを企図しているとのことである。また、公開買付者及び当社は、当社が公開買付者以外の者(対抗的買収提案者)と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意は一切行っていないとのことであり、上記公開買付期間の設定と併せて、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことである。
・本取引に係るプレスリリースにおいては、本特別委員会に関する情報、当社株式の株式価値の算定結果の内容に関する情報、本取引を実施するに至った背景・目的等に関する情報、当社と公開買付者との間で行われた取引条件等に関する協議・交渉の具体的な経緯に関する情報等について、それぞれ開示が予定されており、当社の株主による取引条件の妥当性等についての判断のために相当な情報が開示される予定であることが認められる。
(ⅳ)上記を踏まえ本取引(当社取締役会が本公開買付けに対して賛同の意見表明を行うこと及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを含む。)の決定が当社の少数株主にとって不利益なものではないか
諮問事項(ⅰ)乃至(ⅲ)において検討した内容が諮問事項(ⅳ)の考慮要素となるところ、上記のとおり諮問事項(ⅰ)乃至(ⅲ)について特段問題があるとは考えられないことから、本取引(当社取締役会が本公開買付けに対して賛同の意見表明を行うこと及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを含む。)の決定が当社の少数株主にとって不利益なものでないと判断する。よって、当社取締役会が本公開買付けに賛同の意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは、いずれも相当であると考えられる。
当社は、みそうパートナーズから取得した本株式価値算定書、R&G横浜法律事務所からの法的助言を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引の諸条件について慎重に協議及び検討を行いました。その結果、当社は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本公開買付けを含む本取引により当社の企業価値の向上が見込まれるとともに、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2025年3月10日開催の当社取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(取締役7名のうち北野俊氏を除く6名)の全員一致で、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。
また、当社の取締役のうち北野俊氏は公開買付者の株主であり、本公開買付け終了後も継続して当社の経営にあたることが予定されていることから、利益相反の疑義を回避する観点から、当社取締役会における本公開買付けへの意見表明に係る議案の審議及び決議には一切参加しておらず、また、本取引に関し、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切参加しておりません。
当社は、公開買付者及び本不応募合意株主から独立した立場で、本取引に係る検討及び交渉を行う体制を当社の社内に構築いたしました。具体的には、当社は、2024年12月12日付で本意向表明書を受領して以降、利益相反の疑義を回避する観点から、当社と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉及び当社内部における検討過程において、公開買付者の株主若しくは役職員を兼務する者又はこれらの者と親族関係にある者を関与させないこととし、これらの者に該当しない取締役1名(久米健夫氏)、総務部長及び経理部長の合計3名からなる社内検討体制を構築いたしました。当社は、このような体制のもとで、みそうパートナーズがDCF法の算定の基礎とした本事業計画を策定しており、本事業計画の策定過程において、公開買付者及び本不応募合意株主と利害関係のある者による関与はありません。
以上の取扱いを含めて、当社における本取引の検討体制に独立性及び公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会における確認を受けております。
公開買付者は、公開買付期間を、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、30営業日に設定しております。このように公開買付期間を法定最短期間に照らして比較的長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者(以下「対抗的買収提案者」といいます。)にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、これをもって本公開買付けの公正性を担保することを企図しているとのことです。
また、公開買付者と当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意を行っておりません。このように、上記公開買付期間の設定と併せ、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことです。
公開買付者は、2025年3月10日付で、本不応募合意株主との間で、本合意、すなわち、①本不応募合意株式(561,839株、所有割合:17.40%)について、本公開買付けに応募しない旨、②本公開買付けが成立した場合には、当社の株主を公開買付者及び本不応募合意株主のみとし、本スクイーズアウト手続として実施される株式併合の承認に係る本定時株主総会において、本スクイーズアウト手続に関連する各議案に賛成する旨、及び③株式併合の効力発生前に公開買付者の要請があった場合には、本株式貸借を行う旨を口頭で合意しているとのことです。但し、北野俊氏に割り当てられた本譲渡制限付株式(5,000株、所有割合:0.15%)には譲渡制限が付されているため、本株式貸借の合意の対象としていないとのことです。また、株式併合の効力発生日において、公開買付者及び本不応募合意株主以外に、公開買付者及び本不応募合意株主がそれぞれ所有する当社株式のうち最も少ない数以上の当社株式を所有する当社の株主が存在することが見込まれない場合は、本株式貸借を実行しないとのことです。なお、本株式貸借が実行された場合には、株式併合の完了後、かつ、裁判所の任意売却許可決定に基づき端数相当株式が当社又は公開買付者に売却された後、本株式貸借を解消し、本不応募合意株主に対して、本株式貸借の対象である当社株式と同等の当社株式を返還すること、及びかかる当社株式の返還を実行するため、当該返還に先立って、公開買付者と本不応募合意株主が共同して、当社をして当社株式の分割を行わせることも併せて合意しているとのことです。
4 【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】
(注1) 役名、職名、所有株式数及び議決権の数は本書提出日現在のものです。
(注2) 取締役高橋理一郎、藤田和由、小嶋郁夫、北村俊和は、社外取締役であります。
(注3) 所有株式数及び議決権の数は、それぞれ当社の役員持株会を通じた所有株式数(小数点以下切捨て)及びそれらに係る議決権の数を含めております。
5 【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】
6 【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】
7 【公開買付者に対する質問】
8 【公開買付期間の延長請求】